フランスでワインを産出するところならどこでもあるのがワイン博物館。ワインの知名度、生産量を問わずに「オラが村のワイン自慢」というやつは治まらない。パリだって今ではもうモンマルトルの丘にロマネコンティの畑よりも小さい畑でしか栽培していないのに16区パッシーにはしっかりと「ワイン博物館」なるものが存在する。
パリのそれはちとイマイチのような気がするけれど、トゥールにあるワイン博物館はわが、ブルゴーニュ地方ボーヌにあるものにも負けてない。というよりもボーヌとは違った感じでこれもまた面白い。
チリやオーストラリアの新大陸ワインがお手ごろで手に入るようになったことやワインの健康促進が益々ワイン人口を増やしワインを目的とした旅行者も多くなっているようで。カーブ巡りもかなり定着して来ました。ワインは奥が深いと言うけれどその奥深さを理解するには飲むことだけでなく、ワインと人々の関係、ワインがいかに人々の生活に密着したものであるか、文化となっているかをもっと知ってもらいたい。
[073]ロワールの城巡り
ロワール地方のことを「フランスの庭」と言うけれど城巡りをするとそれに頷ける。確かに庭園も多いしまたそれがフランス庭園の集大成のよう。城巡りをしても庭にはあまり立ち寄らない観光客が多いと聞いているが、庭園巡りはセットメニューであるべきと私に教えてくれたのは田辺保著の「ロワール川流れのままに」。
庭園巡りの意義とその楽しさを余すことなく紹介するこの本はロワール城巡りの前に是非一読してもらいたい。城にまつわる人間模様盛りだくさんのエピソードを思い出し笑いしながら行ける。ただ有名だ、世界遺産だと言うよりもこれらの城には生き生きとした物語があり、サヴィーネ夫人が著したヴェルサイユ宮廷並みのドラマがある事を知るでしょう。学校では他国の歴史、それもフランス史なんて詳しく学ばないから。読んで訪れれば自分もその歴史の登場人物の一人になってしまいそう。