仕事でプロヴァンス地方に行くときよくお客様を案内するワイナリーがあります。それはシャトー・ヌフ・デュ・パープにあります。フランスのワインは奥が深いと言いますが、幅もあるよぉーん。一般的に南仏ワイン、コート・デュ・ローヌのワインと言うとアルコール度が高く早く熟成するから出荷も早い。それに大量生産もしているのでお手頃感がありお気軽ワインというイメージがあります。でもシャトー・ヌフ・デュ・パープは例外、何でこんなに高いのと泣きたくなる位に高い。そしてそのワインを飲むとき、泣きたくなる位においしい。
この聖なる法皇の葡萄畑に一度足を踏み込んだら葡萄の蔓が私のハートをがっちり掴んで離さない。ブルゴーニュ地方が貴族の葡萄畑ならシャトー・ヌフ・デュ・パープは聖職者のワイン畑、やっぱりハハァーと90度の最敬礼をして踏み込まねば。
[076]スト天国、スト地獄
南仏、夏の風物詩であるアヴィニヨン演劇祭もまたマルセイユやエクス・アン・プロヴァンスの音楽祭とともに中止になってストに突入したとニュースで聞いた。アヴィニヨンは仕事で行く機会も多いし、演劇際の賑わいが好きなのでとても残念。以前ある人からこの町には船の劇場があると教えてもらった。うちの会社は船のホテル、近からずとも遠からず同業者的な近親感を持った。うちの船はその船の劇場のすぐ近くに停泊することがあり時々前を散歩がてらに通った事も。ちょっとアングラな雰囲気が妖艶なのですが、パリでストリップを観たあの勢いでいつか行こう。やはり演劇祭のときに行こう。
フランス人はよくストをする。女の子を引っ掛ける位に頻繁に、そして簡単に。この人たちにとってストのない生活は愛のない生活のように無味乾燥なのかも。いやいやその頻度には呆れるというよりも感心してしまう。君たちいつ仕事すんの?って感じ。ストをしてもそれ程国の機能に影響を及ぼさないところに大国フランスを見る。聞いたところによればトラック野郎のストは地続きの欧州交通網の機能を完全にストップさせるために国境をトラックが横並びにしてとうせんぼするらしい。いわゆる封じ込め、国家軟禁?私が勘弁してよ!と思ったのはごみ回収車のスト、それも真夏。回収に来てくれないから路上のごみの山からは悪臭がするにねずみもご登場。ペスト再来かと怖かった。