[068]アールヌーボーしてる?

してる、してる、とってもしてると大声で言いたくなるのがナンシー。アールヌーボーとは19世紀に始まった近代芸術のひとつらしく、その土台となっているのが日本の浮世絵らしい。明治維新で日本がその扉を世界に向けて開き文明開化が始まった。昔の人は浮世絵の芸術的価値にうとかったのか、日本から輸出された陶器の包み紙が浮世絵だったとか。草花が生き生きと描かれている絵の中にヒントを得てエミーユ・ガレやルネ・ラリークが産み出したのがアール・ヌーボーらしい。
パリ16区、パッシーにはこのアールヌーボー装飾のアパルトマンが多く立ち並び、写真好きの私には格好の場所。ディジョンも同様です。しかし、パリやディジョンはほんの一部、もちろん目の保養にはなるけれどアールヌーボーを満喫したいのであればやはりナンシーへ。
駅周辺あら市内にかけてとにかく凝った装飾をした建物が多くてアールヌーボーしてる、してる。世界遺産であるスタニスラス広場までは歩いても20分くらい。アールヌーボー建築ウォッチングの為には歩くのがベター。広場の門はやはり指定を受けるだけあり見事なモン(門)。

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[061]オテル・パティキュリエール

我が町ディジョンはフランスの中でも良しに悪しきにも知られている町です。まずはマスタード、これを世に知らしめしたブルゴーニュ大公よりもこの薬味の方が有名かも。そしてオテル・パティキュリエールと呼ばれる一連の古い館。ファサードや壁に綴られるその彫刻や色取り取りのタイル屋根はこの町の特徴。その様子はまるでパリ16区パッシーを思わせます。しかし首都以外でこれだけの古い館が密集している所はフランスでも珍しくディジョンは建築面からしても多くの観光客を惹き付けます。
ブルゴーニュ大公家のお膝元にあった町だから昔から貴族が多く周囲に住みまた裁判所や政治家が住みました。オテル・パティキュリエールとはそんな人達の住居だったようです。これらの館の大半が中庭を持ちそこが見所なのですが、その殆どが私有地で大きな扉に閉ざされています。外観を眺めるだけ。でも毎年秋の国家遺産の日(9月中旬の週末)だけは一般人に解放され中に入る事が出来ます。でも一部の館は通常でも中庭まで見学可なのもあるのでそれはディジョンの観光局で問い合わせをして見て下さい。また大公宮殿の裏にある観光局の支局もまたオテル・パティキュリエールの中を使用。とても素敵なので必見。

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