[149]銘醸街道城巡り(3)

ボルドーと比べてブルゴーニュの畑はねこの額のように狭いのが多い。その狭さたるもの私の個人事務所に匹敵する。違うのはその狭さでもあちらは世界中の注目を浴びて利益を生んでいるということ。ボルドーの畑はまるでアメリカ北部に見かけるジャガイモ畑のように広大でトラクターがガンガン走るイメージ、でもこちらは赤鼻のトナカイならず農家のおやじさんが狭い猫の額の中ををあくせく走る。その狭い額サイズの畑の中で更に何本目の木までうちの葡萄で、何本目からはお隣さんと分かれるというのは驚き以外にも何でもない。

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[148]銘醸街道カーブ巡り(2)

米系企業に就職してまだ3ヶ月というのにうちのボスは事ある毎に「君の給料は時給にするとXXユーロで、個人事務所を与え会社は投資しているんだから何か結果を出せ!」とせっつく。ここでボスの言う「結果」とはプラス結果を意味していて現状のマイナスとはと違う。前の会社はもろ欧州系で、もろフレンチだったから、大きくそしてのんびり構えていた。これが買収に繋がった事も無視できないが、それでも外国市場への新規奇参入に対する厳しさと難しさに対する理解はまだ、ちとあった方だったと今更ながら思う。米系は厳しい!
この厳しさを普段から痛感しているせいか、それとも単に私のやっかみか、私も対価に対する評価は厳しい方だ。お金払うのだからそれに見合うものが欲しいし、見合わなないのならボロクソ言う方。それを知る周囲の人は私の商品に対する選択を信用してくれるという有難い結果も招いている。

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