[129]顔ダニ

顔ダニとは人体に生息する毛包虫の一種で正式名は「デモデクス・フォリキュロラム」という。退化しいるが8本の脚をもつダニの仲間で、皮膚内で産卵と3回の脱皮を行い、約2週間で卵から成虫になる。おもに皮脂を餌とし、実害はない。おとなしい寄生虫なのだ。

テレビで街ゆく人に声をかけ、顔ダニチェックされた人が顔面蒼白。こんな場面を最近テレビで放映され話題となっているようだ。ダニが体中にいるなんてと心配される向きもあるかと思うが、心配はいらない。もともと人体は寄生虫だらけなのだ。悪いことをする寄生虫もいるが、もともと寄生虫と人とは持ちつ持たれつ、つまり共存している。無理に排除するとかえって弊害が起こる。

毛包虫が問題となるのは、それが異常に増えた場合。皮膚炎などの治療に使うステロイド剤をむやみに使い続けたり、塗る必要のないニキビに誤ってつけて悪化させた皮膚を調べると、毛包虫が異常に増えることがあるという。ただこの場合でもちゃんと治療すればすぐ元通りになるので心配は要らない。

イタズラな情報に惑わされないように気をつけよう。