[129a]電子レンジ

電子レンジが調理機器として定着して久しい。しかし、アメリカでは洗った猫を乾かそうとして電子レンジに入れて死亡させるなど、信じられない事故がいまだに起こっている。

電子レンジメーカーも大変だ。アメリカは訴訟の国だから、メーカーはすぐに訴えられる。そして陪審制だもんで、非常識な訴えにもかかわらず原告に同情が集まるとメーカーは裁判に負け多大な賠償金を支払わなければならない。そのために、製品には「猫を入れないでください」と表示しなければならない。もっとも、それを皮肉ってそういう面白い注意書きを集めたサイトもあるらしいが。

さて、電子レンジだが、そういう事故が起きるのも、その仕組みを知らないからに他ならない。電子レンジは火を使わずに電波で調理する。電波は、マグネトロンという真空管から出てくる。周波数が2,450MHzだから、1秒間に24億5千万回も振動する。

この周波数は「水」を振動させる特定な周波数だ。水は電波を受けて振動し、その摩擦で発熱する。食品には水分が含まれているから、水が発熱して食品全体が温まるというわけ。したがって、洗った猫も乾くことは乾くがその前に猫自体が調理されてしまう。

電子レンジの電波は金属は通過しない。したがって、金属の容器に入っていると温まらないだけでなく、電波が反射してマグネトロンをいためる。アルミ箔などの薄いものは燃えたりするから要注意。金属片を配したおしゃれなお皿も台無しになるので注意しよう。

電子レンジの出力は家庭用で800W、コンビニにおいてある業務用でも1500Wで、所詮は一人分をすばやく温めるのに向く。大量にお湯を沸かす時はなどはガスの方が早い。