[180]ごみが足りない!

4月からリサイクル法によって更にゴミを分別しなければならなくなった。我が家では種類別にしたゴミ袋が台所を占拠している。そのゴミ袋をよけながら食事の支度をする。まったくゴミ袋様様である。

ゴミ減らし運動も本格的になってきて、生ゴミを家庭でも処理しよう動きが活発。酵素で分解して土にする機械やミミズに食べさせてゴミを分解させる容器がバカスカ売れているという。

ところがそういう官民一体の活動が効を奏し、ゴミが少なくなってきたのはいいが、困ったのは清掃局である。なんと燃やすためのゴミが予想を大きく上回って足りないのだ。折角の最新鋭のゴミ焼却炉が稼動しないまま休止する事態が続々と起こってしまっている。燃やすゴミが少ないかえってダイオキシンが発生しやすく、かといって外部の治自体からゴミを受けいるれるというのも住民感情が絡み好ましくない。

更に困るのは、例えば東京都の場合はゴミ焼却で発電してそれを東京電力に販売している。その収入は貴重な財源なのだ。思うように焼却計画が進まず発電量が減って深刻な事態となっているらしい。少しでもそれを解消しようと高い値段で売れる昼間に焼却炉を稼動するなど、涙ぐましい努力をしている。

そもそも、大量に生じたゴミを大量に焼却するという発想が間違っている。自然の営みの中で焼却という作業は存在しない。たまに落雷で木が燃える程度。自然界は焼却を歓迎していないのだ。埋め立てに使うのは焼却よりはまし。自然界でも不要物は海に流れ出て堆積するからだ。

大地からもらったものは大地に返す。世の中のゴミが右肩上がりで増えるとはもう考えられない。大焼却炉主義の焼却路線はもう脱却して、ごみの発生を抑制する社会をめざすべき。