[205]胃液は強酸性

胃液は胃腺から1日に1~2リットル分泌される。これは塩酸の類であり、pHは約1である。ペーハー1といえば強酸である。エイリアンの体液に匹敵するかもしれない。胃の中に入った食べ物は、ものの25分くらいで腸に送られる。これだけの短時間に食べ物を消化する能力は確かに凄い。もっとも消化に関しては消化酵素の力によるところも大きいが。

強酸である胃液から胃壁を守っているのが胃線から分泌される粘液。さらにこの胃腺の粘液に含まれるたんぱく質は、ビタミンB12と結合して腸から吸収させる働きがある。胃液と粘液とはうまく均衡してはじめて健全な胃という事ができる。ところが現代人はストレスなどでこのバランスが崩れやすく、胃が健康に働いていないようだ。

夏にお腹をこわすとか食あたりになりやすいのは、水分を多く取りすぎ、この胃液が薄められて消化不良をおこすからである。雪印乳業の事件でも食中毒がとり沙汰されているが、黄色ぶどう球菌にしてもO-157にしても、本来この胃液の強酸に出会ったらひとたまりもないのだ。それくらい強い防御力を人間は最初から持っている。

したがって夏に食中毒から身を守るのは簡単。食事する時に水分をとらないこと。食後30分もすればほとんど消化され胃の中は消毒されているので、そしたら水分を補充しよう。

この予防法は意外と見過ごされている。