[220]デキャンタ

デキャンタとはワインを瓶から移し替える時に使う容器のことです。移し変える作業をデキャンティングといいますが、この主な目的は、年代物の赤ワインなどにできた澱(オリ)を取り除くためです。また、ワインには亜硫酸塩をはじめ色々な物質が含まれていますが、それらを空気に触れさせて飛ばし、柔らかさをだすためにも行われます。デキャンティングは、大きなボトルから注ぎ安い容器に入れ替えるという意味だけでなく、味わいを深める重要な目的があったんですねー。

亜硫酸塩というのは天然のワインにも含まれている物質で、通常は酸化防止剤としてワインメーカーのほとんどが製造過程内において添加しています。亜硫酸塩を使うと常温保存でも味の劣化が無く、つまり商品価値が下がりません。商売上在庫しても酸化による劣化が無いので管理が楽になるというメリットがあります。

しかし、亜硫酸塩は大量に摂取すると悪酔いしますし、できれば摂取しないに越した事はありません。国内メーカーでもこの点に注目し、亜硫酸塩を使わずとも酸化しない技術を開発したそうです。メーカー名はマンズワイン。つまりキッコーマンです。こういう安全性に対し努力を惜しまない企業は21世紀の企業のスタンダードとなることでしょう。

我々消費者が亜硫酸塩から身を守るには、先ほど申し上げたデキャンティングをすること。あるいはシャブレといって、コルクを抜いたあと20分くらい放置することが必要です。その前になんといっても安全なワインを選ぶことが大事なのですが。

さて、最近流行りのイタリアンレストランでは、メニューにデキャンタというのがあります。ボトルでは多いし、グラスワインでは物足りないという向きには、デキャンタはちょうどいい量を提供してくれます。

しかし、デキャンタに入ってるワインは価格を押さえるために一番安いワインだったりします。これは至極残念。ぜひとも色々な銘柄のワインをそれぞれデキャンタでサービスしていただきたい。そう願ってやまないたまごやであります。