[228]望遠鏡(2)~望遠鏡を買う~

望遠鏡を買って何を見るか?意外と大事なことなんですね、これが。目的がはっきりしていないと、折角大金をはたいて買った望遠鏡も、押入れの中で眠ることになってしまいます。

【遠くの星を見る】オススメ度【×】

例えば、夏の南の空に赤く輝くさそり座の目を望遠鏡で見てみるとします。しかしどんなに倍率を大きくしても、赤い点にしか見えません。倍率を上げれば月のように見えるかといいますと、そんなことは絶対にありません。夜空の星々はそれほど遠くにある星なのです。望遠鏡で見ても面白くありませんので、すぐに飽きてしまいます。

【星雲を見る】オススメ度【△】

よく天体雑誌とかにありますね、ダイナミックに渦巻く星雲。これを是非見ようと望遠鏡を買う。しかし、これも写真のようには見えません。なんとなくぼーっとしているのがわかる程度です。じつはこれは当たり前なのです。天体写真は特殊なフィルムと冷却カメラで撮るからあのようなダイナミックな写真が撮れるのです。しかし、天体写真を撮るという目的があるなら、望遠鏡(赤道儀)がどっちみち必要ですから、買っても無駄にはなりませんが。

【星座を見る】オススメ度【×】

残念ながら、望遠鏡の視野は狭いので、星座は視野に入りきれません。したがって星座としては見ることは出来ません。星座を見るのは肉眼か視野の広い双眼鏡がベストです。

【月や土星などの惑星を見る】オススメ度【〇】

これは望遠鏡の面目躍如というところで、性能のいい望遠鏡で見る月面は圧巻ですし、土星の輪を見るのも楽しいです。木星の縞模様も見れますし、木星の周囲を巡る衛星も確認できます。

つまり、望遠鏡は月や惑星を見るか、天体写真を見るか、どちらかの目的がないと宝の持ち腐れになる可能性が高いと、こういうことです。

尚、他人の家を覗くために買うというのも立派な目的とはいえますが、これは見つかるとヤバイのでやめたほうが無難でしょう。

次号は、赤道儀のハナシです。