[227]望遠鏡(1)

子供の頃、科学雑誌の付録で望遠鏡を作りました。誰しも経験があるでしょう。簡単なレンズが二つと鏡筒は紙製。しかしそんなおもちゃでも遠くの物が見えて感動したものです。望遠鏡の原理は対物レンズで光を集め、接眼レンズでそれを拡大してみるものです。したがって対物レンズがいかに多くの光りを集めるかにかかっています。

天体望遠鏡で地上を見ますと天地がさかさまに見えます。天体では天地はあまり関係ないし、正立像にするのにはレンズをもう一枚入れなければならず、そのため暗くなってしまうからです。地上望遠鏡や双眼鏡は正立像になるように修正してあります。

望遠鏡には屈折式と反射式があります。屈折式は、凸レンズを複数枚組み合わせたもの。焦点距離が長くなりレンズを大きくすると、大きく重たくなるのが欠点ですが、鏡筒が密閉されるため管理が楽です。またレンズにコーティングを施すことにより分解能に優れたシャープな像が得られます。

反射式は凹面鏡を使って光を集めます。レンズではなく鏡です。凹面鏡は凸レンズに比べ加工が楽で簡単に大型のものが作れます。また長い焦点距離も凹面鏡を組み合わせることで折畳む事が出来(すばる望遠鏡などのカセグレン鏡、など)、望遠鏡自体をコンパクトにすることが出来ます。

しかし反射式は鏡筒がオープンなので(鏡筒が無くても見える!)ほこりをかぶりやすく、鏡のメンテナンスも大変です。しかし何より安くて大口径が得られるので人気があります。望遠鏡を買おうと思っているなら、この反射望遠鏡をオススメします。

屈折式にしろ反射式にしろ、望遠鏡の口径は大きいほど性能が良くなります。口径が大きいほど光をたくさん集められ、遠くのものまで明るくはっきり見えるということです。

次号は、望遠鏡をどんな目的で買うか?の話をします。