[349]春の七草

1月7日には七草粥をいただきます。春の代表的な草花でお粥を炊き、一年の邪気を払い健康を祈願していただくもので、お正月のご馳走で疲れた胃に、ビタミンや繊維質豊富なお粥が優しい生活の知恵といえましょう。

この日は一年の節目を意味する五節句の1つ(他には3月3日桃の節句や5月5日端午の節句などがある)で、昔は人日(じんじつ)の節句と呼ばれていました。これは文字通り「人の日」のことであり中国では正月七日の天気で人間のことを占っていたためこの日に七草のお粥を食べて邪気を払ったことに由来しているようです。

今では七草はスーパーで買うのが一般的です。味気ないような気がしますが、この時期七草は自然には生えていませんので仕方ないですね。ちなみにスーパーで売られているものは、四国の高知で生産されているものが多いようですがそれにしてもハウス栽培であると思います。

七草の種類は、セリ・ナズナ(ペンペン草)・ゴギョウ(ハハコグサ)・ハコベ(ハコベラ)・ホトケノザ・スズナ(カブ)・スズシロ(ダイコン)の七つです。正月七日といっても、もともとは中国の慣習なので旧暦で行なわれていた行事です。旧暦の正月は大体一ヶ月ほど後になりますので、これらの越冬性の強い草は暖かい地方では生えていたのかもしれません。

七草粥の準備は前の晩に行うのが正式で、六日の晩にまな板の上に七草と調理用具を並べ、「七草なずな、唐土の鳥が日本の土地に渡らぬ先に」という七草ばやしを歌いながら七草を刻み、刻んだ七草は神様に一晩奉納してから七日の朝に使ったものです。七草ばやしにでてくる唐土の鳥というのは、中国大陸から渡ってくる鳥のことで、昔はこの鳥が災害を持ってくると考えられていて、その害鳥を追い払うことが七草粥の行事と結びついたといわれています。

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