[431]キシリトール

砂糖にかわる甘味料としてキシリトールが人気があります。チューインガムによく使用されているキシリトール、甘いけど虫歯になりにくいという優れものです。

キシリトールは白樺や樫などの樹木からとれるキシランという物質を還元し製造した糖アルコールです。糖アルコールとは、ブドウ糖、麦芽糖などに水素を加えて還元したもの。糖アルコールにはソルビトール、マンニトールなどがありますが、その中でもキシリトールは最も甘く、砂糖と同じくらいの甘さがあります。

糖アルコールは砂糖とは異なり虫歯の原因とはなりません。また、結晶が溶解する際に熱を吸収するので、スーッとする冷涼感があります。食品添加物にも指定されています。

キシリトールは虫歯や歯周病のもとである歯垢を減少させる働きがあります。歯垢は細菌の温床となりますが、キシリトールは歯垢のネバネバである水溶性グルカンを抑え、結果細菌が住めない環境を作ります。

虫歯菌が歯を溶かす酸を作るのを阻止する働きがあります。さらに虫歯の進行を止めるだけでなく、歯の中にカルシウムを取り入れる働きもあるため、歯の修復も促進されます。

また、キシリトール入りのガムは、噛む事で唾液が多く分泌され、唾液に含まれるカルシウム、リン酸が歯を強くしてくれます。また唾液は口臭を予防する働きもあります。

キシリトールは小腸から身体に吸収されますが、代謝する時にインスリンに頼らないため、糖尿病の人でも大丈夫なのです。安全性の高いものとされていますが、食べすぎると下痢する人もいるとのこと。

万能の優等生みたいなキシリトールですが、注意すべき点もあります。じつはカロリーが結構高いんですね。砂糖の4.0kcal/gにくらべ4.0kcal/gとやや低いですが決して低カロリーとはいえません。いくら虫歯にならないからと言っても食べすぎればカロリーオーバーになり知らずに太っていた、では何にもなりませんね。

キシリトールは虫歯を予防しますが、歯垢を除去するものではないので、あくまで歯ブラシのサポートとして考えるべきものです。キシリトールを口にしていれば虫歯も歯周病もならないと考えるのは大きな間違いなので、気をつけましょう。寝る前の歯磨きはいつものように欠かせません。

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