[481]靖国神社

2014年8月13日

8月15日の終戦記念日が近づいてきました。「敗戦」ではなく「終戦」なのは昭和天皇の意向です。昭和天皇がどういう考えであったかはいまだに定かでない部分がありますが、ともかく終わりにしたかった、というのが正直なところではないでしょうか。

小泉首相が靖国神社を参拝するということで物議をかもしています。中国や韓国からも抗議が殺到しています。ですが、実際のところ「なぜいけないの?」と思っている若者も多いのではないでしょうか?

靖国神社という神社は国家の平和と安泰を願って明治天皇が建立した神社です。東京は九段上にあり、武道館、千鳥淵、皇居が近くにあり、都心であっても緑豊かなところです。裏手には、インド料理で有名なアジャンタなど、有名店も多くあります。

さて、明治2年より戊辰戦争をはじめとして戦没者を合祀(ごうし=合同で祀[まつ]る)している靖国神社ですが、戦没者といっても公務、つまり国側にたって戦死した人に限られています。一般人が戦死した場合は「お国のため」ですから、当然合祀の対象になります。内戦の場合でもお国側に立った人のみを祀っており、例えば西郷隆盛などはお国にたてついたということで、靖国神社には祀られておりません。

問題となるのは、第二次世界大戦の戦犯といわれる日本軍部の重要人物が靖国神社に祀られていることにあります。近隣の国々が心配するのは、

1.靖国神社は戦犯を祀っていること

2.その神社を公的に首相が参拝すること

の2点であり、これがまた日本が帝国主義の軍事大国になる引き金と成るのではないかと懸念しているのです。戦犯といわれる人が祀られていなかったら、なんら問題は起こらなかったでしょう。

「戦犯を祀るとはどういうことだ?」という意見が出てくるのは当然のことと思います。ただし、この戦犯についてはいろいろな論があります。この場合の戦犯とはいわゆる東京裁判での戦争犯罪人をいいますが、靖国神社としては、戦犯は連合国の一方的なものであり、一種濡れ衣であるという見解を示しております。

戦争にかかわらざるを得なかった戦犯といわれる人も、刑が確定し執行された時点で復権しており、戦犯といわれる人であっても昭和殉難者であることから、合祀に値するということをいっているのでしょう。

なお、靖国神社は現在は民間の社務所であり、誰をどう祀ろうが基本的に自由である点も見逃せません。

※話をわかりやすくするため、戦争顛末をかなり端折っております。ご了解ください。

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玉音放送の原稿その一
玉音放送の原稿その一

1945年(昭和20年)8月15日玉音放送前後のアナウンス原稿(その1)
NHK博物館にて(2001年5月撮影)

玉音放送の原稿その二
玉音放送の原稿その二

1945年(昭和20年)8月15日玉音放送前後のアナウンス原稿(その2)
NHK博物館にて(2001年5月)

玉音放送の原稿その三
玉音放送の原稿その三

1945年(昭和20年)8月15日玉音放送前後のアナウンス原稿(その3)
NHK博物館にて(2001年5月)