[513]狂牛病
5年前、イギリスで発見された狂牛病が世界中に蔓延しています。他国の話をタカをくくっていましたが、ついに日本でも疑いのある牛が見つかりその牛を焼却する騒ぎに。
狂牛病は脳がスポンジ状になってしまう恐ろしい病気で、その病原体は細菌でもなくウイルスでもないプリオンと呼ばれるたんぱく質。人に感染するかどうかははっきりとは分かっていませんが、人にもヤコブ病という同じ病気があり、症状や病原体は同じだとされているので、感染しないというほうが不自然。ということで、牛製品に対する注意が必要になってきたといえます。
狂牛病のもとは羊の肉を粉砕して牛のえさに混ぜたことから発生しています。羊の病気「スクレイピー」が牛に感染し、それが狂牛病の原因となったのです。
もともと草食動物なのに、なぜ羊の肉などのたんぱく質を与えるかというと、それは成長が早くなるからです。草食動物の胃腸は長大で、その消化過程でたんぱく質を生成しますが、やはりじかにたんぱく質を与えたほうが成長が早かった。人間は自然の摂理に反して牛に動物性たんぱく質を与えつづけてきたわけです。その、反動ともいえる狂牛病。これは人災といえるものです。
病原体の住処となる部位は脳、脊髄、眼球、小腸の末端などに特定されていますが、われわれの食料になるものに混入するかどうかははっきり言って分かりません。メーカーでは安全と言っていても、それが保証される確証はどこにも無いのです。牛というのは捨てるところが無いほど利用されている動物なので、どこで牛が使われているのか勉強する必要があります。
とりあえず牛肉は筋肉の部位だけを食べるようにし、ハンバーグなど加工肉や牛骨の加工製品(カルシウム剤)、ペットフードなどは牛骨が使われている可能性が高いので成分表を確認するなど自衛策が必要です。
美容に使われるコラーゲンや美白効果が高いプラセンタなどは牛から抽出したものが多いので気をつけましょう。しかし、美しさを得るにも命がけ。住みにくい世の中です。
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