[625]シャムの双生児

前号(一卵性双生児)の続き

シャム王国の現国名は「タイ王国」。国の面積は日本の約1.36倍、人口は約6061万人。仏教の国で古い歴史を持つ国。魚醤を使ったタイ料理は辛くて美味しい。19世紀、シャムはヨーロッパの強国を互いに競わせる事によってなんとか独立を保っていました。シャムという国名からタイに変わったのは1939年。元首はプミポン国王。

シャムといえばシャムの双生児。これは身体の一部が融着したまま生まれてきた一卵性双生児のことです。生まれながらに悲劇を背負ってきている双生児です。ベトナム戦争でアメリカ軍がまいた枯葉剤に含まれていたダイオキシンによって被害を被ったシャム双生児のベト氏・ドク氏ももう21歳になっています。

シャムの双生児ということは、最初はシャムで発見されたのが由来だと思われがちですが、シャム王国は1939年に国名をタイに変えているので「シャムの双生児」はベトナム戦争以前からあったものと思われます。

シャムの双生児は一卵性双生児です。一卵性双生児はもともと一人であるはずの細胞が受精後10日以内に分裂して双生児になるものです。これが13日以降に分裂すると、身体の一部ができあがっているため、つながったまま成長してしまいます。これがシャムの双生児といわれるものなのです。

元々は一人だからシャムの双生児は非常に似ています。外見だけでなく性格や考え方も似ています。ちなみに二卵性双生児は卵子が2つですから、双生児とはいえ別人。たまたま一緒にお腹にいるだけに過ぎません。

ダイオキシンは環境ホルモンのなかでも最も毒性の強い物質といわれていて、急性毒性は青酸カリのなんと約1万倍です。化学物質の中で最も毒性が強いものとされます。ゴミを燃やすとダイオキシンが発生しますが、ダイオキシンは自然の木にも微量ですが含まれていて、落ち葉を燃やしても発生します。焚き火もおちおちできません。

日本でも1968年にカネミ油症事件が問題となり、製造過程で混入したPCBが原因とされていましたがそれは間違いで、後にダイオキシンが原因物質であったと判明しました。いやはや怖い怖いのダイオキシンです。

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