[636]ビタミンQ

ビタミンQは労働厚生省が平成13年に食品認可した、ビタミンの中では一番新しいビタミンです。もともとビタミンQはユビキノン(製品名ノイキノン)という名前で心臓薬として開発され、その製造元は我がニッポン。つまり国産のビタミンだったのです。

心臓薬として開発されたユビキノンですが、その他に筋力アップ、病気に対する抵抗力のアップ、若返りに効果があると発見され、海外ではいち早くサプリメントとして有名になりました。ところが日本では薬事法により医薬品としてしか販売できないため、一般に利用できなかったという悲しいいきさつがあります。平成13年に晴れてサプリメントとして手に入るようになりました。

ビタミンQは補酵素Q10ともいわれ、細胞のミトコンドリアがブドウ糖と酸素からATPをつくりだす工程で働きます。ATPとはクレーブス理論(生物のエネルギーサイクルを明らかにした理論)の最終的な細胞内での生産物質で、これを正常化することでエネルギー代謝をスムーズにし疲労回復を実現することができます。

ところがこのATPの生産は生物がエネルギーを作り出す大事な工程ではあるのですが同時に大量の活性酸素も発生しまいます。ビタミンQはこの活性酸素を抑えてくれるのです。脳の中で活性酸素が脳細胞を酸化させるのを防ぐため、痴呆の防止や生活習慣病などに効果が期待できます。

そのほか、様々な実験によりビタミンQはウィルスや細菌・花粉などのアレルゲンに対する抗体を倍増することや免疫機能の強化に有効であるとされています。また本来の機能である心臓病、歯槽膿漏、歯肉炎、糖尿病、高血圧、低血圧、アルツハイマー症、ダイエット、冷え性などにも効き目が期待されています。

年齢を重ねるごとに必要量が増えてくるビタミンQですが、体内での生産能力は年齢とともに落ちてきますので、段々欠乏していく栄養素の1つです。体力の衰えを感じたら、積極的にビタミンQを補う必要があるということです。しかしサプリメントに頼りすぎてはいけませんよ。規則正しく色々な食品を摂ることが前提条件です。

【関連記事】
学校では教えない本当の社会福祉[89]もしあなたが認知症になるなら