[702]クローン

人間の複製を作ってしまういわゆるクローン人間が問題になってます。クローン人間はDNAが同じですから、まったく同じ人間がこの世に複数いることになります。

クローン技術はともかくクローン人間が良いか悪いかの決定は今のところできません。しかし、なんとなくクローン人間を作ってはイケナイような気がするのは、われわれの中にあるDNAが行なってきた「進化」の経験に反するからなのです。

もともと原始生物は自らの細胞を分裂させ、同じものを大量に作り出してきました。これがクローンの始まりです。しかし、同じものを大量に作り出すということは、勢いがあるときはいいけれど、気ままな地球環境の変化のため、ある日突然全滅する危険も生じてきます。またウイルスなどの同じ生物同士の天敵にも対抗しなければなりません。

そこでわれわれの祖先が編み出した方法は「性」を作ること。つまり男女を作って、未来へつなぐ情報を分散させたのです。性は異性を「選び」「選ばれ」環境に適した多様性のある強いDNAに作り変えて生き延びてきたのです。まさに血と汗と涙の歴史といえるわけです。

そんな苦労を経てきたのに、なんでいまさらクローン人間なの?と細胞は叫びたいでしょう。何億年もの時間を費やして現代まで生き延びてきたのに、クローン人間はまったくの退化であるわけです。したがって本能的にクローン人間に拒絶をしてしまう感覚が生まれてくるのではないでしょうか?

しかし別の見方をすれば、ここにきてDNAはクローン技術を見直し始めたのかもしれません。生殖能力の落ちただらしない人間に見切りをつけ、昔ながらの手法「クローン」技術で新造人間つくり巻き返しを図る人類。神の描いた未来のシナリオにちゃんと載ってたりするのかも!?