[722]摩天楼

摩天楼とは天をも摩する(こする)高い建物(やぐらのようなもの)という意味で、いわゆる超高層ビルのことです。

日本ではじめての超高層ビルは霞ヶ関ビルです。霞ヶ関ビルは今から30年前(昭和43年)に完成した地上36階、地下3階の高層ビル。高さは地上147mであり、完成当時は日本で一番高いビルでした。いつ行っても観光客がいっぱいいたものです。

日本ではそれまでは関東大震災で赤煉瓦の丸の内ビル街が壊滅したこともあって、最高約31メートルに高さを制限されていました。霞ヶ関ビルはビルとしての柔構造がはじめて認められ、ようやく日本も超高層ビルの幕開けとなったわけです。

現在日本で一番高いビルは、三菱地所の持つ横浜ランドマークタワーです。高さは296メートル。しかし、世界基準から見るとこれでもたいした事はなく、アメリカなどでは超高層の最低基準が300メートルからですから、その基準からすれば日本に超高層ビルは一個もないことになります。

今の技術からしたら300メートルオーバーのビル建築は難しいことではありません。ランドマークタワーが300メートルを超えなかったのにはワケがあります。それは、将来東京丸の内にできるであろう日本一のビルを300メートルオーバーとする為に三菱地所がわざと300メートルを超える設計をしなかったこと(これは噂です)。そして、横浜の場合は空港が近く、飛行機が低空で飛ぶので、安全航行上から300メートルを超えられないこと、があげられます。

ところでビルの寿命ですが、超高層ビルの場合は構造的には500年は持つだろうとされていますが、価値的な寿命はそれほど長くないのではないでしょうか。建物は残ったとしても設備が陳腐化すれば利用者はいなくなります。維持管理も大変でしょうし。

今は技術が有っても高さを競うようなビル建築は無意味なのであまりしませんね。それよりも、これからはリサイクルできるように後々のことまで考えたビル作りが必要でしょう。

ちなみに、超高層ビルの解体する時は建てる時と逆の手順で、屋上にクレーンを設置し、ビルの外壁を1枚1枚はがしていくそうです。

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