[808]血液型の話

2013年5月25日

血液型といえばABOで分類される方式が有名です。ほかにも色々な判別方法がありますが、輸血の時に問題になる【凝集】を防ぐだけならABO式でほぼ十分。実際に病院などで輸血する際には実際に血液を混ぜて凝集するかどうか調べてから輸血します。たまに同じ血液型でも凝集する事があるからです。

そのほかの分類の仕方にRh方式があります。強く凝集するヒト血球をRh+(陽性)と呼び、ほとんど凝集しないのをRh-(陰性)と呼んでいます。陰性の女性が陽性の子供を妊娠した場合などに大きな問題となります。母胎のなかで凝集が起こってしまうからです。胎児に重大な影響を及ぼす可能性があります。

陽性というのは抗体があるということです。抗体は抗原をやっつけます。A型の人はA型以外のものを受けつけないという抗体があります。O型には抗体はありません。AB型にはA型B型両方の抗原があります。したがって、O型の人は抗体がないのですべての血液型の人に輸血できますが、もらう時は抗原のないO型しか受けつけない。逆にAB型の人はすべての人からもらえるけどあげる時はAB型の人しかあげられないというわけです。

血液型の分布は日本人の場合A型が一番多く38%。続いてO型が30%。B型が22%。AB型が一番少なく10%となっています。血液型の起源はその型によって違うらしい。約4万年前のこと。一番最初の血液型はO型でした。O型は原始の血液型です。人類は狩猟によって生活をしていた時代で、抗原、抗体などというものは要らなかったんですね、きっと。

約2万5千年くらい前にA型の血液型が生まれました。何らかの理由で抗原、抗体を持つようになったわけです。生活様式の変化か農耕民族になってからといわれます。定住するようになって種を守るためでしょうか。異種の血液に対して免疫力が強くなったわけです。

1万年前くらいにB型ができました。発祥地はヒマラヤとされています。アジアを中心に広まり遊牧を生活様式としていました。AB型はこれらの混血であり、進化したものです。今後更に新しい血液型の人類が登場するかもしれませんね。

話は変わりますが、 ABO式の血液型でめずらしい血液型もあります。ボンベイブラッドと呼ばれるものです。Oh型とよばれるもので、現在の人類に進化する以前の型といわれ、日本では、ごく少数にしか見られない非常に珍しい血液型です。インドのボンベイ地方に比較的多く見られることから、ボンベイの血(ブラッド)とよばれます。日本ではこの血液型の人は数十人しかいないとされます。少ないとされるAB型のRh(-)でさえ2000人に一人はいるわけですからいかに少ないかお分かりでしょう。

血液型占いは、面白いと思います。当るか当らないかは別問題。占いというよりは「ご挨拶」です。「ねえキミ血液型B型でしょ?」。この場合答えに対するリアクションは2つしかない。「やっぱりねー」か「え!?意外だなー」。これはコミュニケーションに使えます。