[881]アスベスト(石綿)

石綿による健康被害が深刻化しています。石綿の有害性はかなり前から言われていたのにもかかわらず、製造が禁止されたのは平成16年。なぜ今頃になって?なぜそんなに最近までほっといたの?という感が強いです。

石綿は天然の繊維状鉱物で、アモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)、クリソタイル(白石綿)があります。茶石綿と青石綿は1995年に使用禁止とされていましたが、白石綿は2004年10月から原則禁止になったものの、一部特殊な用途に限って代替品がないため今後しばらくは使用が続けられるようです。

石綿は耐熱、断熱、絶縁などに優れた特性を持ち、また安価であるため、住宅の断熱材などに広く使用されてきました。しかしその繊維は髪の毛よりも細く、空中を飛散しやすく、かつ肺に入るとなかなか出てこないという厄介者です。

石綿繊維を吸入すると肺がん、中皮腫などの病気を40年の潜伏期間を経て引き起こすため、製品加工や家屋の解体をする作業現場での労災が1980年代ごろから問題化。ちょうど今、1970~1980年代に吸い込んだ人たちが発病する時期に差しかかっているのです。職業とはいえ健康被害に遇われたかたの気持ちは察するにあまりあります。

石綿による被害はむしろこれからが本番です。というのは、既に多くの石綿含有製品が世に出回っており、それらを使用して建築物ができているという事実。つまりこれらの建築物はいつかは解体されるわけで、その際に発生する石綿粉塵は私達の生活の場に降りかかる恐れが十分にあるのです。

石綿が含まれている製品には、屋根材(スレート瓦、コロニアル瓦、)、波板スレート、外壁材、ビル内断熱吹き付け材、配管用耐熱断熱吹き付け材、左官用モルタル混和材、機械のガスケットやパッキン、シール材などです。

自動車のブレーキも摩擦材として石綿が長年使われてきましたが、有名なブレーキメーカーで従業員に石綿による健康障害が発生したため、また諸外国の規制もあったため、昭和64年には全面的に廃止となりました。今はブレーキは石綿は使っていませんので、パッドが磨耗しても石綿による健康被害の心配はありません。
続く