[969]梅雨入り

2013年5月18日

気象庁は毎年6月になって雨が多くなると「○月○日、関東地方は梅雨入りしたもようです」と発表します。

これがいわゆる「梅雨入り宣言」といわれるものですが、じつは気象庁は「宣言」はしていないのです。あくまでもお知らせであり、その基準もあいまいです。今までの天候と、その先1週間程度の予報をもとに雨が多くなり、日照が少なくなってくる頃を「梅雨入り」とします。具体的に「雨がどのくらい降ったら」というような基準はないのです。つまり、気象庁は単に「梅雨入りしたかもしれません」と発表しているに過ぎません。

そもそも、気象庁は梅雨入り宣言なんて危険を冒す必要はまったく無いわけです。過去、梅雨入りしたかしないか、梅雨が明けたのか明けてないのか、色々議論され、その都度気象庁の発表は当たらないものとされてきました。気象庁のこのあたらない「宣言」、結構この歴史、長いと思います。

梅雨入り、梅雨明けの発表が正式な気象情報として採用されたのが、昭和61年のこと。それ以前は単なる「お知らせ」でした。この頃は日付を特定して発表していましたが、大幅にずれ込むことが多く、平成7年に日付を特定しないで、しかも事後に発表するようになりました。しかし、これでは何のことがわからないと苦情が殺到し、平成9年に今のような、日付を含ませたあいまいな発表に相成ったわけです。

農耕民族の日本人。天気に関してははっきりとした宣言をしてもらうことで、安心を得たいと想うのが心情なのでしょう。雨がが降るのかか降らないか?晴れるのか晴れないのか?これで一年の収穫が決まってしまうのですから、そりゃ重要なのです。