[999]高気圧と低気圧

昔に比べると、最近は気候の変わり方が唐突になってきたのがわかります。雨はバケツをひっくり返したように降り、以前は日本ではほとんど見られなかった竜巻が各地に被害を及ぼしています。原因は地球温暖化や森林の破壊などいろいろいわれていますが、つまり地球はダイナミックに生きている、ということではないでしょうか?

さて、この天気の変化は、地球をとりま空気の層の変化として捉えることが出来ます。空気の塊の密度が周辺より高いところが高気圧です。逆に周辺より塊の密度が薄いところが低気圧です。相対的に決まるので、何ヘクトパスカル以上が高気圧、ということではありません。また、高いところにあるから高気圧、でもありません。

高気圧は空気の固まり密度が高いですから、重いです。重くて圧力が高いので中の空気は下方向へ流れようとします。また気圧の低い低気圧に向かって移動しようとします。高気圧は密度が高いので乾燥しています。下向きに空気が流れるときは雲が出来にくいので、したがって高気圧のところは晴れが多いのです(例外もあります)。

低気圧は空気の密度が薄いので、周辺の気圧の高い部分から空気が流れこみます。気圧の差が大きいときは流れ込む空気の量が多く、規模が大きくなるとこれが台風になったりします。流れ込む空気は湿った空気が多く、それが上昇気流となって冷やされ、結露して雨が降るわけです。

低気圧は空気の塊が希薄で、重量も少ないですから、その部分の海面は押し上げられ、これが高潮になります。台風の時には特に気圧が低いので海面が押し上げられ、雨風とあいまって高潮が起こり、沿岸部に大きな被害をもたらすことになるのです。

ちなみに、高気圧は「移動する」、低気圧は「進む」と気象庁では言い分けているようです。

【関連記事】
[225]潜水病と高山病