[1005]IH調理器とは?
今、私がちょっとほしいと思っているものに「IH調理器」というのがあります。IH調理器は「電磁調理器」ともいいます。(2006年現在)
我が家のキッチンは築25年以上経った事もあり、かなりくたびれてきました。特にガスコンロはボロボロです。自動点火も壊れて、立ち消え防止も無いし、このまま使うには危険を感じるほどです。そこで次期候補に上げたいのがIHタイプのコンロ。鍋を直接加熱するので火災の心配がありませんし、ガス漏れの心配も無い。空焚き防止機能もついており、まさに中高老年向き。
しかしこのIH調理器。だいぶ見るようになりましたが、いまいち原理がわからない、というかたも多いのではないでしょうか。IH調理器の原理は、磁力で鍋自体を加熱するものです。IHとは電磁誘導加熱(Induction Heating)のことで、磁力線の働きで鍋自体をヒーターのように発熱させます。
普通、物体に電気が流れると磁気が発生します。これは中学の理科で習います。IH調理器の鍋の下にあたる部分にはうずまき状のコイルが仕込まれています。そこから発生する周波数25KHzの磁力線によって、上に置かれた鉄鍋の底に「うず電流」が生じます。鉄は電気抵抗があるため、流れる電流が熱に変わり、鍋の底板が熱くなって調理できるようになるという仕組みです。
電磁調理器で使えるのは、鉄鍋、鉄ホーロー鍋、ステンレス鍋、鉄フライパンなどです。アルミ鍋が使えないのは、抵抗が少ないので電流は通っても充分な発熱が得られないからです。しかし最近ではアルミの利点(軽い・熱伝導がよい)を生かしつつ、多層構造にすることで、アルミを含む鍋も使えるようになってきました。
IH調理器で一番なじみのあるのが炊飯器でしょうか。IH炊飯器は高熱で炊き上げるのでおいしいご飯が炊けます。内釜が鉄でできておりその厚みも厚くできています。電気抵抗で発熱するので厚いほうが早く加熱されるからです。また、炊飯器は蓋がされているので更に急速に炊けます。だからおいしいんですね。
ちなみに周波数が25KHzであるのは、20KHz以下の周波数ですと人間の耳には聞こえてしまいます。かといってあまり高い周波数では効率が悪くなるので研究の結果25KHz付近の周波数を使うことになったそうです。
IH調理器の問題点は価格が相当高いことです。60cm幅のガスコンロは1万円前後で買えますが、IHタイプは20万円ほどします。炊飯器の場合でも、例えばマイコン制御の炊飯器は1升炊きでも量販店で7,000円くらいで買えますが、IHタイプの炊飯器はその倍くらいはしてしまいます。
さらに気をつけることは、IH調理器は大きな電力を使うので、家全体の電気容量が大きくないとブレーカーが飛んでしまうことがあげられます。ご飯を炊くたびに、コタツを消したりエアコンを消したりするのは面倒です。そういう場合はIHではなく従来のマイコン炊飯器などのほうが使いやすいといえましょう。