[1074]世界三大瀑布
圧倒的な水量を誇る馬蹄形のナイヤガラ滝(カナダ滝)。(2007年5月24日撮影)
瀑布(ばくふ)とは滝のことです。江戸時代の幕府ではありません。滝は「瀑布」と「早瀬」に分けられます。瀑布は川の水がまっすぐ下に布状に激しく落ちている様子の滝をさしていいます。水が川底から離れ空中を落ちているのが特徴です。これに対し「早瀬」急坂を勢いよく流れ下る様子をいい、水が川底を離れることがありません。
世界三大瀑布は激しく垂直に落ちる滝で世界の三本指に入るものです。これにはイグアスの滝、ナイアガラ滝、ヴィクトリア滝が該当します。
イグアスの滝とは、南米大陸のアルゼンチンのイグアス国立公園とブラジルのイグアス国立公園の二国にまたがる滝です。ともにユネスコ世界遺産に登録されています。滝幅4km、最大落差80メートル以上。イグアスとは先住民の言葉で「大いなる水」という意味。
ヴィクトリア滝はアフリカのジンバブエ共和国とザンビアの国境にある滝です。ザンベジ川の中流にあり、最大幅が1,700m、落差は100mあります。イギリスの探検家によって発見され、当時のイギリスのヴィクトリア女王にちなんで名付けられた滝です。先住民はこの滝を「雷鳴の轟く水煙」と呼んでいます。
そして最後に登場するのがナイアガラの滝です。北米五大湖のエリー湖とオンタリオ湖の間にあるナイアガラ断層によってできた滝で、国境にあるためアメリカ滝、カナダ滝と分かれています。カナダ滝は落差56m、幅675m、アメリカ滝は落差58m、幅330m。ナイアガラは原住民の「雷のように轟く水」を意味する言葉に由来しています。
ナイヤガラ滝が誇るのはなんといってもその水量です。規模ではイグアス、ヴィクトリアに敵いませんがその圧倒的な水量は迫力満点で世界一。水量が多いため浸食も激しく、そのため滝が年間で1mも後退していたといいます。
ナイヤガラの滝は約12000年前にできたとされますが、その当時の滝のあとが下流12kmのところにあるからです。年間1mとして12000年で12km後退した、というわけです。
しかし、この説にはやや疑問が残ります。滝というのはどの滝も侵食によって後退しますが、その過程で早瀬になりやがて急流となり滝が消滅するのが普通です。落差を保ったまま後退するには、侵食された瓦礫をも下流に押し出さなければなりません。ナイヤガラの滝がそれだけの推力があったとしたら、本当にすごい水量です。
ちなみに、今では上流に水門が設けられ、観光季節によって水量をコントロールし、侵食も年間3cmほどに抑えているとのこと。この滝が移動してしまったら、ナイヤガラの町も困りますものね。またコントロールされた水は水力発電に利用されているとのこと。人の手が加わってしまったナイヤガラの滝は心なしか迫力にかけるような気がしました。