[1095]マロンとマロニエ
2007年5月25日カナダ(ナイアガラ・オン・ザ・レイクにて)
パリをはじめヨーロッパ各地の街路樹として有名なマロニエ。フランス映画などにも風景としてよく出てきますね。マロニエとはセイヨウトチノキのことで、日本でもよく植わっています。トチノキは「栃の木」と書き、その字のとおり栃木県の県木となっています。ただし日本のトチノキとマロニエ(セイヨウトチノキ)は若干異なるようです。
マロニエは春遅くに上向きに房状の白い花を咲かせ、秋には「栃の実」を実らせます。栃の実は渋抜きをして食用になります。餅と一緒に突いた栃餅はなかなか美味しいのですが、渋抜きの作業がなかなか大変とか…。
このマロニエの実(栃の実)は栗そっくりですが、渋いのでそのままでは食べられません。しかしこの実のことをフランスではマロンといいます。マロンといえば栗。栗のマロンは美味しく食べられますが、マロニエの実のマロンは渋くて食べられない?ややこしい??
マロニエの実には棘はあるもののイガがありません。また栗の実はイガに2~3個包まれていますが、マロニエは実が単独です。元々はマロニエの実をマロンといっていたのですが、マロニエの実より栗の実のほうが美味しいので次第に栗の実のほうをマロンというようになったのでしょう。
フランスでは美味しいほうのマロン(栗の実)はシャテニエと呼び、渋いほうのマロニエのマロン(栃の実)をマロンと呼びます。美味しいお菓子のマロングラッセはシャテニエのマロンを使います。やっぱりややこしい??