[1106]ニッサンの飲酒運転防止策
汗からアルコールを検出し、一定量の値になるとエンジンがかからないなどの防止策を施した試作車を日産自動車が発表しました。
日産自動車は3日、シフトレバーに設置したセンサーでドライバーの汗に含まれるアルコール分を検出し、酒気帯び運転(呼気1リットル当たり0.15ミリグラム)相当以上の量を感知すると発進できなくする試作車を開発したと発表した。今後、実用化に向けた検証実験を行う。(8月3日17時1分配信 時事通信)
日本の法律は「臭いものにフタ」「対処療法」的なものが多く、立法は頭が悪いか、現実をよくわかっていないと思わせるものが少なくありません。一番手っ取り早いのは厳罰を課する方法なので、よく考えず、そういった方向に進んでしまうのがなんとも情けない。
飲酒運転を防止するための道路交通法でも、罰金を増額するなどの改正がたびたび行なわれてきました。市民は罰金を払いたくないから、飲酒運転をしない、という厳罰主義の方向性です。この方法は抜本的な解決にはなりません。飲酒運転をなくすには、飲酒運転をしたら罰する、というのではなく、飲酒運転自体をできないようにすればいいのです。
今回の日産自動車の試作車は、シフトノブにセンサーが組み込まれ、運転者の汗からアルコールを検出し、規定量の値になるとシフトノブが動作せず、運転そのものができなくなる仕組み。これこそ抜本的な解決方法であり、歓迎させるべき技術です。
一方で更なる希望は、飲酒運転していても安全に運転ができる技術。日本はまだ公共の交通機関が発達していますので、飲酒した場合は、タクシーや電車バスなどを利用することが可能ですが、海外ではそうも行かないことも多いのです。
アメリカの場合、郊外都市では車がないとどこにもいけません。フランスなどでは水よりもワインを常飲しています。そういった事情のある国では飲酒運転を見逃すこともまた政策の一部となっています。飲酒していても安全に運転できる車が開発されれば一挙解決なのですが…