[1117]インド洋における給油活動の意味

民主党の小沢代表はテロ特措法自体を憲法9条違反だとし、アメリカには非協力的な態度をとっています。政党の考え方を明確にし、意志表示をすることは大事なことです。しかし、テロ特措法の意味を取り違えると、日本の国益を損じるばかりか、次期衆議院総選挙で民主党が狙う政権もほど遠いものとなるでしょう。

日本はアメリカからの「独立」をそろそろ考えなければなりませんが、アメリカの機嫌を損ねるような方策は賢くないといえましょう。民主党は世論を追い風にしていると思っていますが、世論はマスメディアの報道でころころ変わります。あまり過激に自民党を攻めるような方策は諸刃の剣といえるかもしれません。もともと、自民党と民主党は同じ穴の狢(むじな)ですから。

さて、インド洋の給油活動は、アフガニスタンにおけるテロ活動の撲滅にその意義があります。アフガン戦争は終結したように見えますが、じつはアルカイダをはじめとするアフガニスタンのテロ組織は激化しています。その資金源となるのが麻薬の密売です。アフガニスタンは世界でも有数の大麻栽培地。その大麻を密輸出して活動資金を得ているのです。

その流出を水際で阻止しようとするのが、日本を含む8カ国が参加する不朽の自由作戦(OEF)。この作戦には、イラク戦争には反対の立場をとるフランスやドイツも参加しています。それはアルカイダによる自爆テロがこれらの国でも起きており深刻な問題となっているからです。幸い日本ではいまのところテロはありません。しかしいつ起こってもおかしく無い状態にはなっているのです。

またインド洋からマラッカ海峡付近は日本に向かう船、日本から向かう船が通る場所。ここの安全を確保することは国益に適ったものとなります。日本の政治は情緒に流されやすいですが、もう少し「国にとってどうなのか?」つまり「国益」を主眼において、政府は国民に詳しく説明するする必要があるのではないでしょうか。

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