[1226]牛乳
今年は丑年。ということで牛の話でもしましょうか。
まずは牛乳の話。
普段何気なく飲んでいる牛乳ですが、改めてどうやってできているのか、確認してみましょう。
牛乳は乳牛のメスから搾乳します。そのメスの乳牛もいつも乳が出るわけではなく、妊娠して出産した乳牛に限られます。当たり前のことですが、私たちが牛乳を飲むときにはそんなことを考えず、無頓着に飲んでいます。しかし、この妊娠・出産したメスの乳牛に限られるということが、乳牛を飼育している人には人知れぬ苦労があるわけです。
乳牛が生まれてから、最初に分娩、つまり乳を出すようになるまで22~25ヶ月かかるとされています。およそ2年。この期間、良い乳牛に育てるための手塩にかけます。無事、分娩した後に乳を出すようになっても、それが続くのは10~12ヶ月ほど。そしてまた、次の分娩に備えます。
牛の妊娠期間は約10ヵ月(280日)で人間とほぼ同じ。分娩から次の分娩までの期間は約12~15ヶ月位ですから、その期間が経過するとまた搾乳されます。
分娩とは出産ですから、それは大変な仕事です。そして分娩するとまた搾乳され、乳牛は大忙し。
乳牛として産まれる
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約1年間育成
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人工授精で最初の妊娠
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10ヶ月後に分娩
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分娩後搾乳
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10~12ヶ月で搾乳停止
人工授精により次の分娩に備える
搾乳は1日に20~30リットル。栄養分が豊富に含まれている牛乳ですから、その補給も大変です。乳牛が一日に飲む水の量は約100リットル。食事は約20kg。食べたらそれを出します。糞は1日約30~50kg、尿は約15~25リットルにもなります。
搾乳は頻繁に行なわれますが、分娩後の初乳は子牛に与えることになっています。初乳は子牛にとって特別な乳で、これから育つにあたって必要な栄養分だけでなく、病気にかからないための免疫成分も入っているためです。母牛からのワクチンというわけです。これは人間も同じ。ミルクで育てる場合でも、出産したらがんばって初乳を新生児に与えます。