[1286]オフレコ取材

ちょっと前(2011年11月28日)になりますが、沖縄防衛局の田中聡沖縄防衛局長が記者との懇談中女性侮蔑発言があったとしてオフレコにもかかわらず、これを沖縄新報が報道し、田中聡沖縄防衛局長は事実上の更迭(停職40日間)となったようです。

オフレコとは「ここだけの話」という意味で、公にしないことで本音を聞くことができる貴重な場です。オフレコ取材は、記者が記事を書く上で、その前後関係や背景など、正しい報道をするうえで貴重な取材方法です。取材されるほうも、オフレコならば多少突っ込んだ話もできるというもの。

沖縄新報は「田中防衛局長の資質に関わる問題で報道することは公益性がある」として約束を破って報道したとのことですが「ここだけの話」なのにそれをすっぱ抜かれたら、今後官僚や政治家の本音など聞くことはできなくなるでしょう。

しかしこういったすっぱ抜きは今に始まったことではなく、過去にもオフレコ発言を報道されて更迭された例はあります。

「放射能をうつしてやる」発言で辞任-鉢呂吉雄前経済産業相(平成23年9月)
「首相が頭悪いから」発言で更迭-宝珠山昇防衛施設庁長官(平成7年10月)

オフレコ取材は、事実把握ための一手法ではありますが、取材に対して「ここだけの話」というのは報道陣だけが知っていて国民には知らせないということにもなります。

国民の知る権利を制約・制限することにもなりかねない「オフレコ取材」。もう少し吟味する余地がありそうです。