[236]クワス
JRがまだ国鉄だった頃、駅の売店がまだキヨスクではなくフツーの売店だった頃、山手線がまだヤマテ線と言ってた頃、神田駅改札を出たところにその売店はあった。そこには珍しい飲み物が売っていた。クワスである。甘酸っぱくしかし黒ビールに似た味は妙にオトナっぽく、高校生であった私はこの飲み物がすごく気に入ってしまった。毎日バイトの帰りにはこの売店に寄ってクワスを飲んだ。
この頃は既にコカ・コーラはあった。もちろんペプシコーラもあった。アメリカからコーラが上陸した頃は、その他にもクラウンコーラとか怪しげなコーラが結構あったがそれらは姿を消していた。コーラも一段落し、コカコーラ社から色々な飲み物が販売されそして消えていった。ドクターペッパーはこの頃生まれ、今は亡き地域限定のミスターピブなど覚えてらっしゃる方も多いだろう。
さて、クワスである。その後バイトをやめ、その売店に行かなくなって現在にいたるまで、このクワスにはお目にかかっていない。しかし、ロシアでは今でも庶民の清涼飲料として愛飲されているという。もっとも、台頭するコーラには敵わないらしいが。
クワスはロシアでは一般的に作られているもので、ライ麦や大麦麦芽を原料として砂糖やハッカ等を加えて発酵させた飲料。麦芽の変わりにどこでも手に入る黒パンを使って家庭でも簡単に作れるらしい。発行の段階で炭酸が精製されるので微炭酸である。またアルコールも少し含まれているようだ。麦から作られるので味はビールに似ており、未成年の場合ビールを飲んだような気分になれるもの楽しい。ロシアに行ったら是非飲んでみてほしい。
グジェリ焼きのクワス入れ
平成10年4月18日、ロシア大統領ナイナ・エリツィンさんが来日した際に同夫人より寄贈されたもの。 グジェリとはモスクワ郊外で生産されている白と青の色を特徴とする陶器で、ロシアの代表的な工芸品として、人形や花瓶等が生産されている。 クワスとはロシア人が大好きな、ライ麦や麦芽で作る微アルコール性の清涼飲料のことです。