[752]中華料理店症候群

(CRS=チャイニーズ・レストラン・シンドローム)

高校時代の友人に聞いた話ですが、彼は子供の頃「味の素」が大好きで、ある時一缶全部舐めてしまったとのこと。そうしたら、なんと一晩で髪の毛が全部抜けてしまったんだそうな。味の素はそのまま舐めると「もわっ」としていて全く美味しくありませんが、少量使うことによって味が俄然引き立つでので、中華料理店では欠かせません。ちなみに昔の味の素は缶に入っていました。

味の素の成分はグルタミンソーダ(MSG)という化学物質で、これは天然のものにも多く含まれています。昆布や鰹節、しいたけに含まれる「うまみ成分」はMSGです。しかし天然のものとはいえ大量に摂取すると身体に異変が起こります。顔がしびれたりひどいときは呼吸困難になったりします。中華料理は特にMSGを大量に使うので中華料理を食べつづけるとなりやすいということで中華料理店症候群(CRS)といわれます。

私も一時期ラーメン屋をやっていまして、その時を思い出すとやっぱりMSGは大量に使っていました。問屋ではグルタミンソーダを略してグルソといっていましたが「味の素」はブランド品で高価なので、安い「旭味」を使っていたものです。例えば一般家庭でチャーハンを作ってもいわゆる「お店の味」にならないのは、味の素が足りないからです。スプーン一杯ぐらい入っていますからね、いやほんと。

人間の五感というのは身体を守る機能があります。例えば古いとか腐ってるとか匂うとか。そういった異常を五感が感じ取り、摂取しないように防御しています。しかし化学調味料はこれらの五感を狂わせます。新鮮な牛肉は空気に触れるとすぐ酸化して黒っぽくなります。しかし、スーパーで買ってきた牛肉はいつまでたっても鮮やかなピンク。これは発色剤を使っているからです。あぶない、あぶない。

中華料理症候群は味の素株式会社でも認めております。以前は「たくさん使いましょう」でしたが、最近では「適量基準をお守りください」という方向です。食品添加物はできれば摂らないにこしたことありませんが、そうもいきませんのでなるべく摂らないように心がけましょう。

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