[629]カヤック

カヤックと聞いてどういうものを想像されるでしょうか?細長くオープンなデッキに2人くらい座れて、湖面をゆったり進むのはカヤックではなくカナディアンカヌーといいます。カナダのインディアンが移動や荷物を運ぶために作られたため大きく長く安定感に富みます。パドルという道具を使ってて手で漕ぎますが、カナディアンの場合はシングルパドルを使うのが特長です。

一人乗りの激流を下るシーンで活躍しているのがカヤックです。カヤックはデッキ部分はクローズドになっていて、人が座る部分のみ開いているタイプです。折りたたみタイプもあって持ち運びに便利なため最近人気があります。

カヤックというと川で使うように思われていますが、本来カヤックはイヌイットが海でアザラシやセイウチを追うために作られた猟具なのです。素早く逃げる海獣を追うために一人乗り、そしてスピードが出るように細長いくできています。したがって荒海で使うには安定性が悪い。

なにしろ北極の海ですからい一歩間違えば凍死が待っています。なるべく身体を濡らさないようにしなければなりません。そこで船の上部を布で蔽って水が入らないようにし、コクピットは狭く、漕ぎ手はアノラックを着込んで濡れても大丈夫なようにし、万一転覆しても船に乗ったままリカバリーできるようなパドルテクニックが発達したのです。

ちなみに、川で使うカヤックに対し、海で使うカヤックはシーカヤックと呼ばれ、長さもかなり長いものです。日本は川を下るには都合のいいポイントはあまり無いのですが、四方を海で囲まれています。この絶好の環境を生かしてシーカヤックに挑戦してみてはいかがでしょうか?