[1163]肝炎のABC
肝炎(かんえん)とは肝臓が炎症を起こすこと。炎症を起こした肝臓は正常に働かなくなり、発熱、黄疸(おうだん)、全身倦怠感などを起こし、次第に慢性肝炎、肝硬変、肝がんなどに進行し、最悪の場合は死に至ります。ほうっておくと怖い類の病気です。
肝臓の炎症はアルコールの取りすぎなど色々な原因で起こりますが、今問題になっている薬害肝炎は、ウイルスが混入した血液製剤を止血剤として使ったためそれが感染原因となっています。
通常、ウイルスが体内に入ると、細胞に入り込み、その細胞の中でウイルスは増殖し、細胞を破壊するため色々な症状を起こすのですが、肝炎の場合はウイルスの活動に対しての自己免疫反応による障害であることが特徴です。つまりアレルギー。
肝炎ウイルスによる肝炎にはA型、B型、C型が一般的ですが、そのほかにもD型E型、G型、TT型があります。
《A型肝炎》
A型肝炎は「A型肝炎ウイルス」に汚染された水や野菜、魚介類などを生で食べることにより感染します。食中毒の一種といってもいいでしょう。A型肝炎が流行している国へでかけるときは注意しましょう。予防ワクチンがあるので、やむなく感染地にいくときには利用したいものです。
《B型肝炎》
B型肝炎は血液媒介によって感染します。母親から胎児に感染する垂直感染、性行為による水平感染があります。感染した人は慢性肝炎となることが多いので注意。これも予防接種を受ける事で回避できます。
《C型肝炎》
C型肝炎の感染経路はウイルスが混入した血液もしくは血液製剤がもっとも多く、これが社会問題を引き起こしています。
C型肝炎自体はそれほど怖い病気ではありません。しかしいつまでも治療をせずC型肝炎のキャリアでいると、いずれ肝硬変などを起こすことになります。そうなると大変。C型肝炎の疑いがある人は定期的に健康診断をして肝臓の状態に気をくばりましょう。
またC型肝炎はうつりますので、自分がキャリアになった場合は他人にうつさないよう気配りが必要。特に血液によってうつりますのでカミソリ、血を流したようなケガに気をつけます。献血や臓器提供も行なえません。
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