[1214]原子力空母ジョージワシントン

2008年9月25日、アメリカの原子力空母ジョージワシントンが横須賀基地に配備されました。目的はもちろん、極東におけるアメリカの戦力の誇示とアメリカや日本に対する近隣諸国への抑止力です。軍隊を持たない日本としては、安全のためこういった施策が必要なわけです。

横須賀基地の配備艦としての前任はキティホーク。しかしキティホークは老朽化しており、動力も原子力ではないため、ここで交代となったわけです。原子力空母について危機感を抱く人も多いと思いますが、現在アメリカの現役空母はすべて原子力の動力となっています。理由は簡単です。

まず、今までの重油を燃やすタイプの空母は、3日に一度給油しなければなりません。そして船体の何千トンもの燃料を積み込まねばなりません。

原子力動力の場合は基本的に航続距離は無限。燃料の補給は不要。25年に一回だけメンテナンスをすればよいとのこと。重油を積まなくていいので船体内スペースも有効利用できます。

空母は艦載機を積んで、前線での基地となる役目があります。その空母が燃料の補給でいちいち離脱していたのでは作戦が遂行できません。そのため空母は原子力であることが必須なのです。

原子力空母ジョージワシントンは全長333メートル(東京タワーの高さと同じ)、全幅76.8メートル、乗組員は約5600人、艦載機は85機、最新の電子機器を備える動く司令部となっています。

現在アメリカが保有する原子力空母は以下の10隻。

* エンタープライズ (世界初の原子力空母5) 1961年11月25日就役
* ニミッツ1975年5月3日就役
* ドワイト・D・アイゼンハワー1977年10月18日就役
* カール・ヴィンソン1982年3月13日就役
* セオドア・ルーズベルト1986年10月25日就役
* エイブラハム・リンカーン1989年11月11日就役
* ジョージ・ワシントン1992年7月4日就役
* ジョン・C・ステニス1995年12月9日就役
* ハリー・S・トルーマン1998年7月25日就役
* ロナルド・レーガン2003年7月12日就役

空母の名前は歴代大統領や海軍の功労者から冠したものが多いのがわかります。ちなみにジョージワシントンはアメリカ合衆国の初代大統領の名前。激動のアメリカで1789年4月30日から1797年3月4日まで勤め上げた人です。そして現在建造中なのがジョージ・H・W・ブッシュという空母。ジョージ・H・W・ブッシュは現在のアメリカのブッシュ大統領のお父さんです。この空母は2009年就役予定です。