[364]味噌汁
もしかすると世界各国でスープが発達してきたのは、朝起きてすぐは食欲が無いという人類共通の悩みのせいかもしれません。
スープといえば世界三大スープといわれる「トムヤムクン」や「ふかひれスープ」「ブイヤベース」もいいですが、やはり日本では味噌汁にとどめを刺すでしょう。味噌汁(ジャパニーズミソスープ)は世界に誇れる日本のスープです。
さて、その味噌汁に使われる味噌ですが、東西に長い日本ではその地方独特の製法で味噌が作られます。味噌の原料は大豆ですが、大豆を発行させるのに使う麹の材料によって主に3種類に分けられます。
北海道から甲信越、関東に多いのが米麹味噌。全国でも80%が米麹で作られる味噌です。同じ米麹を使ったものでも関西で好まれるのは西京味噌といわれる白く甘い味噌です。
これが愛知三重岐阜の三県になると大豆麹と塩だけで作られる八丁味噌が普及しています。八丁味噌は赤だし味噌といわれ黒くて堅いのが特長です。赤味噌と赤だし味噌とは同じものと思っている人もいるようですがまったく違うものです。九州、埼玉、栃木では麦麹を使った麦味噌が有名です。大体において味噌は熟成が長いと色が濃くなり、熟成が浅いと白く仕上がります。
味噌には塩分が多く含まれていますが、この塩分が発酵作用を高め色々な善玉菌を育成し、かつ余計な雑菌の増殖を抑えています。塩分が高いのに味噌が身体に良いとされるのは、発酵食品に付き物である色々な微生物が身体に有益に働くからです。その働きは抗がん作用もあると認められているものです。
また、大豆の持つたんぱく質は味噌になることでより体内に取り入れられやすくなり、含まれるリノール酸やサポニンが血圧やコレステロールを下げる効果があります。
ムズカシイ理屈はおいといて何はともあれ味噌汁は毎朝飲むようにしましょう。何よりおいしいですもんね。なお味噌汁には2種類の味噌をあわせることで風味が増し、美味しくいただけます。また味噌は香りが命なので、味噌汁を作る時はぐらぐら煮立てないこと。これ常識。
【関連記事】
[710]サメとフカのハナシ