[02]おこづかいと駄菓子屋
第2回
■おこづかいと駄菓子屋
時代は変わっても身近に必要な物は「お金」ですね。子供達にもお金は必要でした。だけど今と違ってお金の単位がちがいますね。
私達が子供の頃は「おこづかい」と云えば大抵「銭」が単位でした。勿論「円」もありましたがあまりに関係がなかったのです。その単位の「銭・・ぜに」が主流で「円」は見たこともありませんでした。
其の単位の貨幣は「一厘」「五厘」「一銭」「二銭」「五銭」「十銭」「五十銭」・・そして「一円」で殆どが硬貨で、子供達のおこずかいには「五厘」「一銭」「五銭」が殆どです。
たまに「二銭」銅貨を見たことはありましたが、滅多に見られませんでした。「五厘」「一銭」は銅貨で、「五銭」「十銭」は白銅貨で「五十銭」は銀貨でした。
子供達は「一厘」「五厘」「一銭」の銅貨を握りしめて駄菓子屋に通ったものです。まもなく「一厘」は消えて行ったので主流は「一銭銅貨」でした。
現代では「銭」の単位はあっても現実には殆ど使われていないし、知らない人も多いことでしょう。一銭が百枚で一円ですからね・・その一円ですら現在では殆ど何も買えません。
昭和の初めごろは学校の側や公園とか場末の町中とか色々な所に駄菓子屋は沢山ありました。値段は5厘から十銭くらいまでであらゆる品物が揃っていました。子供向けのデパートみたいなものでした。
さて、学校から帰った子供達は駄菓子屋に群がっていました。何を買うかと云うとまず食べるものです。昭和の初めとは云っても一銭で買えるものはそう沢山はありません。昆布とか烏賊の脚の味の付いたものとかせいぜい飴玉くらいでした。
後は飲み物で中身は何が入っているか分かりません。そこで一銭でくじ引きを買うんです。50cmX30cm位の紙に小さな紙を丸めた籤が沢山着いているのを一つだけむしって、それを開くんです。するとそこに字が書いてあって当たりかはずれか分かります。大抵はずれで一銭が五厘になっちゃうんです。つまり半分になって買う物も半分です。
ですけど偶に五銭が当たることもありました。するとこれは大当たりですから五銭の物が買えるんです。これは20cm角もあるような砂糖菓子で赤や青の毒々しい色の付いたものでしたが、家に持って帰ると母親に叱られるのでこっそりと外で全部食べてしまうんです。ところが大抵腹をこわす結果になって母親の大目玉を食う事になります。
そこで駄菓子屋では食べ物は買わないことになるんです。それじゃ何を買うかと云えば、女の子はビーズとか折り紙ですが男の子は大抵メンコかベーゴマかビー玉です。つまりこれで友達と取ったり取られたりする所謂子供達のバクチです。