[25]貧富・貴賤・職業の差別(1)

2019年3月21日

第25回
■貧富・貴賤・職業の差別(1)
貧富貴賤と一口に言いますけれど、問題は「貧賤」でしょう?貧困は当時の日本の何十%の人は貧乏であり、金持ちと云われる人達は極僅かの時代でした。その貧乏人の子に生まれちゃったらこれから先の自分の人生は自分の力で作って行かなければならないのです。
「貧乏人の子沢山」と云われた時代ですが、此の時代の男の子は根性が違っていたように思います。子が親に甘えるような時代ではありません。むしろ親を助けると云う子が多かったと思います。
この頃は一番悲惨だったのは「賤民」と差別されて仕舞った人達です。「職業の選択」のない極貧の家族です。
これは前にも触れましたが「壬申戸籍」似合った「新平民」と書かれた人達です。これは戸籍以前の「人別帳」にも乗らなかった人達です。ですから差別社会であった昭和の初めにも、これらの人達の働く所がありません。
従って役所で一般の人達がやらない、嫌がる仕事・・「汚猥屋」(おわいや)、「ばた屋」「道路掃除屋」「ドブ浚い」などで、そんな仕事も出来ない人は「乞食」しかありません。
《汚猥屋》
今の人達は此の(おわいや)と言う言葉もしらないでしょうね。此の当時はマンションなんてない時代で、すべて一戸建ての住宅です。ですから此の住宅には水洗便所なんてありませんから全部くみ取りです。「汚猥屋」とはそれをくみ取る職業の人です。
月に一度ほど牛車に一斗樽くらいの桶をたくさん積んで、巡回して廻るんです。そして各戸の便所には外からのくみ取り口が付いていますから、其の桶を持って行き、その小さなくみ取り口に柄の長い木で作った柄杓で糞便をくみ取って、其の桶に入れるんです。汲み終わると便所の中に白いさらし粉を撒いて蓋を閉めるんです。
そして汲み終わった桶を牛車に積んで、そして家の人に切符を一枚貰って次の家に行くのですが、何しろ牛車の引っ張る荷台が大はち車のような轍のものですから、相当に揺れますから、積んである糞尿の入った桶は一応蓋はしてありますが、こぼれます。ですからしばらくは大変な匂いです。切符の料金は一枚幾らかは知りません。
続く

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