[84]氷冷蔵庫と井戸
第84回
■氷冷蔵庫と井戸
その頃は家にあったのはお勝手に「氷冷蔵庫」はありました。家族が大勢でしたので比較的大きかったと思いますが、高さは80cm位で木製で、上下二段です。氷は上の扉の中に入れます。物は下に入れるのですが、中は亜鉛鉄板で一つも棚がありません。ですが扉の締まりは頑丈です。
毎朝氷屋がリヤカーに大きな氷を積んで来て、家の前で大きなカギで氷を掴んで地面におろし、刃の荒い大きなノコギリで氷を切るんです。コシコシと大きな音がしますが、早いです。家の冷蔵庫は2貫目の氷を入れて居たようです。2貫目の氷をサッとカギで掴んで、馴れたものです。
大体2貫目(7.5Kg)が一日で溶けてしまいます。中に入れる物は生ものが多かったようですが、あまり長くは保存出来ませんから買い置きは無理です。
八百屋の行商はありませんでした。ですけど魚屋は毎日来てたようです。天秤棒の前後に蓋の付いた桶を担いで来て、庭先で広げるのです。母があれこれと注文すると其の桶の蓋をまな板にして、魚を捌くのです。何時もそれを側で見ていましたから少しは捌き方を憶えました。
マグロとかの大きな魚のアラは、家にはシェパードを飼って居ましたから良い餌になりました。
家には前にも触れましたが、庭先に「井戸」があり、四角いコンクリートで囲ってあって、厚い二枚の石の蓋で覆われていました。子供の力では少しずらすのがやっとの重さです。
中を覗くと10mくらい下に水が見えます。相当深かったですが、覗くとヒンヤリと涼しかったです。
夏になると大きな「西瓜」を吊して冷やすんです。冷蔵庫には入りませんから・・。これは暑い夏には良かったですね。これを引き上げるのは大抵私の役目でした。
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