新車販売、国内で不振。新車が売れない。戦後最長の景気拡大が続いているというのに、国内の新車販売台数は年々減る一方だ。29年ぶりの低水準とも。(5月6日10時11分毎日新聞)
昔(1960?1970年代)は、東京モーターショーといえば年間でもっとも大事なイベント。当時の小学生は街を走るクルマの名前は空で言えることはもちろん、氾濫していた兄弟車(例:オースター、スタンザ、バイオレット…知っている人はツウ)についても一瞬で見分ける能力を持っていました。今なら天才少年といわれるようなことが当たり前だったのです。
今の小学生はどうか?
クルマ好きな少年は、もちろん名前を空でいえますが、ほとんどの小学生は通り過ぎるクルマの名前を言うどころか、全く興味がない様子。景気が回復しているのに新車が売れないという理由は、時代の流れと共に、興味の対象が薄れたからではないでしょうか?
同じことがスキーにも言えます。西武グループが開発したスキー場は苗場を筆頭に団塊の世代には憧れのスキー場が多い。しかし、西武王国が最後に開発した北海道の津別スキー場は、開設以来赤字が続き、あえなく売却に出すも買い手が見つからず、閉鎖廃業が決まったとのこと。
クルマが廃れたわけじゃない。車の性能は上むしろがっている。スキーが廃れたわけじゃない。スキーは立派なしかも洗練されたスポーツとして、観戦する限りは人気が高い。
しかし現代人の興味は薄い。いや、興味はあるのだけれど、ほかにいろいろやることがあって忙しすぎるのでしょう。当時は興味の対象が少なく、ブームになると国民総勢が注目しましたが、今は興味の対象が多様化して色々選べる時代になったということです。
クルマの選び方も変わってきています。昔は車検を通さず、2年未満で乗り換えるのがステータスでした。ディーラー営業マンも、車検の頃を見計らって新車の見積書を持ってくる。2年満たないクルマですから、下取りも高い。オーナーはあまり迷いもせず、新車に乗り換えていました。
今はというと、特に問題なければ廃車するまで乗るという意識が普通です。しかも私のように、高年式低走行の中古車をじっくり探している人も多い。何しろ程度のいい中古車が新車の3分の2くらいで乗れるのですから。
これでは新車が売れるわけありません。しかし考えてみるとこれが正常なのかもしれません。まだ壊れてもいないのに、乗り換えるのは無駄です。そういう感覚がなかった当時(1960年?1970年代)は異常だったともいえます。
マイカーが庶民のあこがれだった高度経済成長期と比べると、車の種類は豊富になり、自分のライフスタイルに合わせたクルマが選べるようになったこと、また性能もよくなり、特に買い換えるほどの進歩がなくなったことも買い替えを控える要因でしょう。
こういった現象は、消費者は賢くなった証明でもあり、自動車メーカーはクルマ作りの眼点を変えていく必要があります。水陸両用車、全自動運転コミューター、小型ジェット機、移動手段としてのクルマはロボット化を視野に入れた大きく進化する前兆なのかもしれません。
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