シックハウス症候群というのがあります。
これは新築住宅に入居したときに起こる「目がツーンとする」「頭やのどが痛い」「ゼイゼイする」といった一連の症状を総称していいます。
原因は住宅の高気密化や化学物質を放散する建材・内装等の使用による室内空気汚染が原因と考えられています。
そのシックハウス症候群がクルマでも起こることが最近判明しました。これをシックカーといいます。
最近のクルマは内装が豪華になり、使われる部材も多くなってきています。
そのため、その部材同士を張り合わせたりするのに使われる接着剤に化学物質が多く含まれると、これがシックカーの原因になります。
新車のにおいはそれなりにリッチな気分にさせてくれますが、頭が痛くなったり目がちかちかするのはいただけませんね。
そこで自動車メーカー各社は『シックカー』対策を本格化するする動きが2005年3月から始まっています。これは、目のチカチカや、めまい、頭痛などを引き起こす「シックハウス症候群」の原因となるVOC(Volatile Organic Compounds =揮発性有機化合物)の自動車内の濃度低減に取り組むものです。
2007年度以降に国内で発売される乗用車については、厚生労働省がシックハウス症候群対策で定めた13物質の室内濃度指針値をクリアし、さらに下回ることを目指すというものです。具体的には接着剤や塗料に含まれる溶剤の水性化などに取り組むようです。
トヨタは、すべての部材のVOC発生量を細かく把握しVOCの発生しない10部品を2003年12月以降のクラウンで採用。またニッサンでも部材を見直し、2004年10月以降のフーガで、車内のアセトアルデヒドなどの濃度を、従来の半分程度に抑えました。
マツダは1999年4月にVOC除去剤を加えた空気清浄フィルター全車にオプションで装着できるようにしています。三菱自動車はホルムアルデヒドを発生しないばかりかむしろ吸収する天井材を使用し対策を講じています。しかし、これらの対策はしているもののVOCについてはカタログに記述が無いのも事実。新車を買うときにはセールスマンにそのあたりの対策を聞いたほうがよさそうです。
なお、シックハウス症候群が新築住宅にしか起こらないと同様、クルマの場合の新車6ヶ月ほどの問題となります。それは内装材に含まれる接着剤の溶剤に起因するものであるため、それが揮発してしまえば症状を引き起こすことはなくなるからです。