[211]初たまストラップ
日本の公共の交通機関にはシルバーシートというものが設置されています。これはお年寄り、身体障害者、妊産婦などの優先席とし、必要としている人がいればにその人に席をお譲りくださいというものです。あくまでも優先席であり専用席ではありません。したがって必要としている人がいない場合は健常者でも座って構いません。必要としている人がいれば席を譲ればいいのです。これはこれでいい制度だと思います。
ただ、このシルバーシートには座れる人は、見かけの「お年寄り」見かけの身障者、見かけの「妊産婦」など「見かけ」で判断を問うところがちょっと気になります。いわば外見で物事を判断する考え、であるといえなくもない。
特にお年寄りや身障者は見かけでもその判断はある程度できますが、腰の悪い人や気分の悪い人、妊娠初期の妊婦などは見かけでは判断できません。しかも、妊娠したことのある人なら分かると思いますが、妊娠初期が一番つらいのです。見かけでは判断できない人もシルバーシートを必要としている場合があるということを強く認識する必要があるということです。
最近、テレビCMでもお気づきになった方も多いと思いますが「たまひよ=たまごクラブ・ひよこクラブ」では「初たまストラップ」なるものを配布しています。これは周囲に妊娠中であることを知らせる携帯ストラップ。実際にはバック等に取り付け、周囲にアピールするものです。なかなかいいアイデアだと思います。皆さんも電車などで「初たまストラップ」を見つけたら、ちょっと気配りをしてあげてください。
ちなみにシルバーシートや車椅子でも入れる専用トイレなど、何でも「専用なんとか」としたがるのは日本人特有のものらしい。福祉先進国では「シルバーなんとか」なんてものはなく、誰でもどこでも自分より弱いものに対してはいたわる慣習があります。また、アメリカを例に取ればどのトイレも大きく作ってありどのトイレでも車椅子が入れるようになっています。日本のように「専用なんとか」があるということ自体、福祉途上国である証拠といえるのです。
アメリカのトイレ(リンク)