[03]マジメ系出会いサイトで申し込み者に仰天!

離婚後、新しい出逢いを求めてマジメ系お見合いサイトに登録した私は、それまでの人生にない驚きに遭遇する。
自身の写真は掲示せず、子どもがいることを了解して頂ける方、誠実でマジメな愛を育んでいきたいこと、「寂しがり屋なので遠距離は無理、近くの方を希望します」の3つをポイントに、自分の情報を公開した。すると、登録したその日に、申し込みメールが続々届いたのだ。その数にも驚いたが、もっと驚いたのは、私に申し込んできた男性陣の「質」である。
相手の年齢はみな私より年上で、最高齢は50歳代。まあ、年上ということ自体は特に問題はない。そしてほぼ離婚歴があったり子どもがいたりする。私も同じなのだから、その点も問題はない。問題は、「顔」である。私は決して面食いではないし、男性のルックスに関しては寛大であると思っていた。見た目よりも、性格や相性を重んじているつもりだった。でもそれは、ある程度の見栄えを無意識に選別した上でのことだったのだろうか。
半分以上の方は写真付きで申し込みをされるのだが、とてもじゃないけれど恋愛の対象にはなりえない、揃いも揃って「ゲー」な人ばかりなのだ。しかも、遠距離無理と希望しているにも関わらず、全国各地から「ゲー」な男たちが申し込みをしてくるのだ。
よくもまあ、この顔で写真を公開できるな、と思ったのだが、そこには理由があった。写真をみたらとても交際する気にはなれないので、写真のない人の情報をみて、申し込みを受けたとすれば申込者に費用がかかる。その後、メールのやりとりや写真を交換して断られるより、最初からみせておいた方が無駄な手間が省けるというものだ。あるいは焦っているのかもしれない。
どちらにしても、私は心底悲しくなっていた。私のスペックは、こんな「ゲー」な人にしか申し込まれないほど落ちぶれているのだろうか。人が振り返るほどの美人ではないにしろ、まだまだいけているわよ!と鏡を見ながら自分に言い聞かせるしかなかった。
本城愛子