データでマッチした人を毎月紹介され、パーティも開催され、入会しておよそ3ヶ月後には、全国版の会員誌に載る。ちなみに私はこの情報誌に載った後、全国各地から三十通以上の申込が来た。また、自分も誰かに紹介されているわけだから、次々に出逢いのチャンスがある。そして、紹介状で気に入って、申込を受けるとお互いに連絡を取り合って会うことが可能となる。
とりあえず会ってみなくてはわからないと思って申込を受けまくる人、逆に紹介状を吟味して、意を決して会う人との間には自ずと意識に差がでてくるだろう。また、同時に複数人の申込を受領することも可能だから、どこまでを恋愛関係と呼ぶかは別として、多重恋愛が横行できるシステムと言える。
実際、このような意識の温度差で、突然、他の人と交際することにしました、と言って断られた事例(会員誌の投稿より)もあるわけで、システムを考えると何ら不思議ではない。要は複数人の異性と同時に会った上で、比較検討されていたわけだ。さらに言えば、結婚したい人が集うわけだから、結婚詐欺師にとっては確実なカモ、またナンパ師にとっても手っ取り早く恋愛に持ち込める確率の高い相手の集いと言えよう。
恐ろしいのは、詐欺師やナンパ師でなくとも、結婚したいがために、あるいはよりよい相手と巡り会う可能性を求めて、あっちがだめならこっちをキープという、不埒な心が芽生えるシステムである、という点だ。
私の場合、案外曲がったことが嫌いであり、複数の交際を受けるなど器用なことはできず、またあちこちと会う暇も気力もないため、紹介状を吟味した上で、これまで3名の男性と会ってみた。そのいきさつは次回に。
本城愛子
カテゴリー: オーネットの真実-結婚情報サービス体験記- -本城愛子-
シングルマザーが再婚を目指し結婚情報サービスに入会。一体どんな出逢いが待ち受けているのか?果たして再婚にこぎつくことができるのか?
恋愛・結婚市場の動向を検証しつつ、独身女性の本音と生態を描くエッセイ。
[10]出会いのチャンス。
オーネットのシステム概要については契約書などを確認しながら書いたつもりだが、誤認識があるかもしれないし、いくつかのプランがあり、細かい規約などもあるので、加入を検討している方はHPや支社におもむくなど各自で確認されたい。
私はのみこみが悪いため、カウンセリング(商談)であれこれ質問したが、担当スタッフは親切に答えてくれたし、知識も豊富だったと思う。しかし、熟知しているスタッフばかりとは限らない。2004年にシステムが変わったらしく、若いスタッフや新入りの方などは、即答できなかったり、あるいはスタッフ自身が認識不足だったりするということもあるようだ。
特に確認しておきたい(混乱すると思われる)のは、プロフィールを記載した紹介書には、「初度紹介書」と「本紹介書」があり、どの時点でどの紹介書が行くのか、わかりにくい点である。すべてのサービスは、コンピュータに登録された紹介書が基本となっている。
紹介書には、2種類あり、最終的にお互いが気に入れば、電話とアドレスが記載された本紹介書が届く仕組みだ。(尚、住所は最終的にも記載されない。)そこからはお互いがやりとりをして、もし交際が終了したら個人情報入りデータ(紙)は返却する規約で、建前は複写厳禁である。しかし、個人情報がいくわけだから、注意しておきたい。決して情報の漏洩が懸念されるという意味ではない。集めて情報を売るには骨が折れるし割に合わないだろう。個人の事情を知られることに対する「気分」の問題である。
それら紹介書はたった一人と交わされるのではなく、同時進行で複数に及ぶ可能性は大いにある。可能性というよりも、それが実態だ。データで一致した人を紹介され、会員誌から選び、選ばれ、パーティもあり、紹介書が行き交うことは必至である。下手な鉄砲を撃ちまくる人もいるだろうし、打った鉄砲が当たりまくる場合(連絡できる相手の紹介書がたまって選り取りみどりという状態)もあろう。
逆に慎重な人もいるはずだ。この人がだめなら、あの人、と思ってしかるべきだが、その辺りのやりくりや節度の持ち方は本人の感覚次第。その結果、どうなるかは別として、結婚したい者同士のチャンスは大いにあるということだ。同時に弊害もある。その点は次回に。
本城愛子