[052]女性の大学進学率

 最近の新聞で目についた記事は「OECDの統計で、日本の4年制大学卒の女性の比率が加盟国内で最低」というものでした。OECD加盟国は欧米およびオーストラリア、ニュージーランドのいわゆる主たる白人国家とアジアからは日本、韓国、トルコの計30ヶ国です。高校への進学率は93%と加盟国トップです。また、25- 34歳の男性の大学卒業資格所持率33%もトップ、一方女性は14%でOECD平均を大きく下回るという統計が出ています。
 ところが、短大を含めた大学レベルの教育と言う視点になると逆転して男性が45%、女性が47%という数値になります。つまり、男性は4年生大学に行くか、行かないかという選択、女性は4年生大学よりも短大へ行く人が多い、この傾向は私が大学教育を受けた約30年前と何ら変わっていません。
 30年前は、クリスマスケーキの法則、25歳までに結婚しないと売れ残りという時代でしたし、結婚後も仕事を続ける人はきわめて少なかったので、 4年生大学卒は就労年数が短いということで就職口がほとんどありませんでした。また、女性の学歴が高すぎると結婚相手が制限される、という当時の社会環境による影響も多かったでしょう。


 現代は高齢化、晩婚化、非婚化がすすみ、一生仕事を持ち続ける女性もふえています。それでも4年生大学に行く女性が急増しないのは、まず親が旧来の教育観念、女性に高学歴は不要という頭が切り替わらないせいもあるでしょう。また、教育費の問題、自宅から通学できればまだしも、都会で生活をさせ大学にやるにはあまりにも親の経済的な負担が大きすぎます。親がサラリーマンならリストラの対象にもなる年齢です。また、不況で4年生大学を出たからといって特に女性には良い就職口があるとは限りません。
 大学教育そのものもあまり魅力あるとは思えません。入るのは難しくても誰でも卒業でき、国際化への対応も遅れています。その実、日本に留学したいという外国人は減っています。また、姉妹校などを除けば海外の大学での取得単位は日本では認められず、日本の有名大学を出たところで海外ではその名は知られていない、というありさまです。
 ドッグ・イヤーといわれる変化の激しい世の中で、より開かれた柔軟な形での大学教育のあり方がもっと求められていいと思います。奨学金制度の充実、職業に結びついた専門的な教育を行う男性も入れる短大の増設、短大から4年制大学へのスムーズな編入制度、飛び級、広い意味での通信教育の拡充(放送、インターネット、大学院レベルまで)、国際的に通用するカリキュラムの設定などがあれば、社会人になってから、あるいは老後大学や大学院へ行く人もふえるのではないでしょうか。学歴そのものに価値があるとは思いませんが、一生学ぶ機会が豊富にあることは人生を豊かにするはずです。
河口容子
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