[281]楽しい旅は余裕から

春休みで海外旅行に行かれる方や年度の変わり目を迎え海外出張も多い時期だと思います。2004年 4月15日号で「旅の安全」について書かせていただきましたが、今回は私が特に気をつけていること、同行者にアドバイスしている事をまとめてみます。
持病のある人はもちろんのこと、薬は飲み慣れたものを持って行くことです。薬が手に入っても途上国では不安な場合もありますし、欧米では体格が違うために小柄な日本人が風邪薬を飲むと効きすぎて眠くなることといった例があります。私自身は東南アジアに行く際は消毒薬、抗菌目薬も必ず持っています。また、初めて行く国の場合、水が合わないと嘔吐と下痢を繰り返しことがあるので脱水症状を防ぐために日本のスポーツ飲料やお茶などのペットボトルを持って行くこともあります。
衣服や下着は余分に持って行くこと。汚してしまったり、ほころびてしまったり、あるいはスケジュール通りに帰れないこともあるからです。これは女性特有の問題かも知れませんが、日本と気候が異なる所へ出かける場合、用意した衣服が現地の気候風土にマッチしないということがあります。現地で買うのも楽しみですが、似合うもの、フィットするサイズがあるとは限らず、特に出張の場合はいろいろなシチュエーションを考えて余分に準備することにしています。
途上国に行かれる場合、ショート・パンツに素足、サンダル履きはやめた方が良いかも知れません。舗装したきれいな道路ばかりとは限りませんので足を怪我して破傷風になる危険性もありますし、中国やベトナムでは狂犬病も多く、脚にかみつかれ現地で病院へ収容された人もいます。
現地で貴重品をホテルのセーフティ・ボックスにしまう方も多いようですが、私はパスポートや航空券も含め途上国では常時持ち歩いています。テロや暴動に遭遇した場合出先からそのまま空港へ行き帰国できる体勢にしているのです。
ホテルの部屋は乱雑にしないこと。私はワードローブには必要以上の衣服は入れませんし、外出時はスーツケースにロックをし、スリッパなどもそろえて脱いでおきます。洗面道具や化粧品などもポーチにしまい、きちんと置いておきます。おかげで何もなくなった事はありませんし、疲れてホテルの部屋に戻った時にも気分が良いものです。
航空機の中は世界中から乗客がウイルスを持ち込むので汚いと聞いたことがあります。機内で眠る時はマスクをしています。のどを痛めることもありません。また、帰国後洗えるものはすべて洗濯し、洗濯できないものは除菌スプレーをして天日干しをしてからしまいます。
上記のような事を言うと「案外神経質なんですね。」とびっくりされたりもしますが、備えあれば憂いなし。楽しい旅は余裕から生まれます。そして多少困難なことがあっても落ちついて対処すること、最後まで気を抜かない事です。
河口容子