「運は天にあり、鎧は胸にあり、手柄は足にあり」戦国時代の武将のような気持ちでいつも海外出張には出かけます。鎧は着てはおりませんが、準備を怠るな、気を抜くなと帰国する最後の瞬間まで自分に言い聞かせております。そして、よく動くこと、今年は国際機関の仕事でマレーシア、インドネシア、そしてフィリピンに行きましたが、いわゆる通常のビジネスの出張とは一味違った経験をたくさんさせていただきました。また、中国と香港へも行くことができ、これはビジネスとして着実に成果があがっています。
特に運命の力を感じるのは香港人のビジネス・パートナーとの業務提携です。投資家の兄弟で、兄の学者の方と数年前、まだ会社員だった頃上司の紹介で出会いました。その後、時々メールを交換したりするだけでしたが、6月に彼らのニュービジネスに関する協力依頼があり、1週間もしないうちに弟の弁護士と契約書を作り、10月には彼らの企業グループのジャパン・オフィスの代表になっていた、という按配です。運命がぐんぐん私を引っ張って行く、そんな感じで、不安や不信感は一切ありませんでした。
[000]アジア人から見たニッポン
先週、知人のインドネシア人の女性が1週間初めて東京に遊びに来ました。彼女は50歳の中小企業経営者で日本の大企業の管理職並みの収入はありますので現地ではかなりお金持ちといえます。華人ですので見た目は普通の日本の中年女性です。英語も堪能で、出張、旅行と世界を飛び回っています。
外国人の来日というといつも頭が痛いのが言葉の問題です。彼女にしても現地で知り合う日本人はすべて英語を話すため、日本では英語が通じると勘違いしてやって来たはずです。よほど特殊言語の地域に旅慣れた人でない限り、早々にコミュニケーション面で精神的にダメージを受けます。西洋人の場合は優越感があるのか言葉が通じなくても堂々とどこへでも行くし、日本人も西洋人には親切で、日本人にたかって暮らしているような人までいます。ところが相手がアジア人となると手のひらを返したように不親切です。皆が皆不法就労者や犯罪者でないにもかかわらず。
彼女は私のアドバイスを守り怪しげなアジア人と間違われないためにカジュアルルックではありましたが、エルメスの時計に大きなダイヤモンドの指輪をつけて現れました。やはり言葉には閉口したのか「日本の高校では英語を教えないの?」高校どころか中学からやって高校までで6年勉強するのだと答えると「なんで英語話せないの?」