[027]戦争とウィルス

 国際的にビジネスをする者にとって為替の動きはもちろんのこと国際情勢に始終はらはらしています。不幸にしてイラク戦争は始まってしまい、最初の噂のように短期終結は望めそうもありません。また、期を同じくして広東と香港を中心に謎の肺炎SARSが世界中へ広がり、国際的に移動をするビジネスマンにとってはダブルパンチともいえる今日この頃です。
 日本を代表するメーカーに勤務する知人は、戦争によるテロの危険で米国出張が取りやめになったとか、このメーカーには米国と日本を毎月往復するエンジニアも多々いて同時多発テロ以来不安な日々を送っているそうです。
 私のビジネスパートナーの会社は広州と香港に本拠を置いていて、まさにSARSの震源地にいるわけですが、様子を聞いたところ、市民は公共の乗物には極力乗らない、人通りの多い所に行かない、ミーティングを減らすなどの自衛策を取っているとかで、仕事どころではありません。ニュースによると香港への観光客も90%減、不況の香港に追い討ちをかけているようです。
 ジャカルタにいる友人の華人経営者は、テロを恐れて開戦後欧米の顧客の出張キャンセル、もしくは、シンガポールのような他国でのミーティングを希望されるケースがほとんどで、戦争が長引けば商売あがったり、と嘆いています。

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[026]宗教の話

 よく話題として取り上げてはいけないものに「宗教」というテーマがあります。ところが、外国人にいきなり「日本の宗教は何か」と聞かれて困ったことがしばしばあります。特にイスラエル人、マレーシア人、インドネシア人などに聞かれると、ご承知のとおり、ユダヤ教やイスラム教の生活習慣で世の中がまわっているだけに「日本ではほとんどの人が無宗教です。」と答えればいい加減な国民のように思われそうです。苦し紛れに「仏教の人が多いです。」と答えてもそれは葬儀を仏式で行う人が多いだけに過ぎず、結婚式はキリスト教、お正月には神社に初詣という混合パターンが、何の不思議もなく行われているのが日本です。中には「葬儀はキリスト教、結婚式は仏式でやるのが逆パターンで経済的なんです。」と説く人までいます。

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