日本選手のメダルラッシュのうちにアテネオリンピックも閉幕しました。日本国民も、あれだけフィーバーした曽我ひとみさんの家族の帰国問題、サッカーのアジアカップ、ましてやサマワの自衛隊のことも昔の出来事のように忘れ、眠い目をこすりながらTVの中継に見入り、リアルタイムで多くの感動や勇気をもらった気がします。
私が起業してからしばらくしてシドニー・オリンピックがありました。会社員なら到底見ることができないような時間に試合を見ることができるのがささやかな喜びでもありましたが、ちょうどITバブルが崩壊する頃で景気に一段とかげりを感じ、希望と不安に満ち満ちた頃でもありました。まだ9.11の同時多発テロは起きておらず、もちろんイラク戦争など想像だにせず、世界はもう少し平和だったような気がします。そんな激動の世の中で、多くの方と巡り会い仕事を続けさせていただくことができ、また次のオリンピックを迎えたということで個人的には感慨無量です。
[101]情報に対する姿勢
最近、おもしろい体験をしています。公的機関の貿易 B2Bサイトに案件を出したところ、日本企業むけの案件については被閲覧回数が 150回を越してもメールや電話の問い合わせはゼロなのです。ところが、海外企業向けの案件を出せば 150回の被閲覧回数があれば 50-60件の問い合わせが来ます。その中にはスパムやとんちんかん、全文中国語だけ、というのも含まれていますが。
このように日本人は情報に対してとても消極的です。サイトに出ている情報を閲覧しただけで仕事をした気になってしまうのでしょうか、それとも「どうせだめだろう」と決めつけ、だめな理由をあれこれ考え出すのに忙しいに違いいありません。だめもとで問い合わせてもそんなに時間もコストもかからないし、ましてや噛みつかれるわけでもなく、そこから得る何かがあるはずです。
公的機関が発表するデータや管理している情報、あるいは新聞やテレビから送り出される情報は公開されているものです。従って、誰もが平等に同じ情報を得ることができます。逆に自分にとって役立つ固有の情報になるかどうかは受け取り手のアイデアやアクション次第ということになります。
よくセミナーなどで「自分の役に立たなかった」とおっしゃる受講者があります。私もときどき講師をさせていただくのでわかるのですが、講師というのは受講生がどんな方々なのか事前の打ち合わせで聞き、最大公約数の内容の講演をするのが仕事です。受講者個別の事情にあわせて内容を組み立てているのではありません。少しでも自分寄りの情報を得ようとすれば質疑応答の時間を活用すべきですが、日本では質問も非常に少ないばかりか、無言の沈黙の時間が流れることすらあります。