最近の中国の発展には目覚しいものがありますが、ふだん中国と縁のない方にとっては、漠然と中国の国全体を地図で思い浮かべることができても、各省や主要都市がどの辺にあるのかほとんどわからない方も多いことでしょう。汎珠江デルタ経済圏、別名9プラス2、が中国政府の全面支援を受けて誕生したのをご存知でしょうか。9というのは広東省、江西省、福建省、湖南省、貴州省、四川省、雲南省、海南省、広西チワン族自治区をさしていい、2は香港行政特別区とマカオ行政特別区のことです。
なんとこの地区の総人口は4億5600万人、広さは200万平方キロ、域内 GDPは約70兆円です。5月1日から25ケ国に拡大したEUに人口が匹敵、面積は半分に相当します。ご承知のとおり、広東省は中国の輸出の約半分を担うエリアです。また、昨年の中国の個人平均年収でもトップが深セン市、そして広州市、上海市、北京市、天津市という順序で、トップ2は広東省です。つまり市場としても有望で、隣には国際金融センターの香港を抱えるという条件に恵まれた新経済圏です。
おまけに日本より先にスタートするアセアン諸国との FTAも中国はここを玄関口にしようと考えています。香港がアセアン諸国にいかに近いか、地図で確認されればおわかりでしょう。また、雲南省は山奥のイメージからアセアン諸国との貿易で一気に開けました。ラオス、ミャンマー、ベトナムと国境を接しているからです。この経済圏は陸路でもアセアン諸国とつながるのです。
[093]国際結婚から国際離婚の時代へ
テレビで日本女性がアメリカ人の結婚相手を探すためにニューヨークへお見合いツアーに行くというニュースを偶然目にしました。そういう斡旋業者というかコーディネーターがいるのです。インターネットで検索をするとなんと国際結婚に関するサイトが山のようにあります。もちろん多くは中国人やフィリピン人のお嫁さんを紹介します、というものです。
手元にあるのが 4年前の統計ですが、日本における国際結婚の比率は総婚姻数の5%に届こうとしています。つまり20組に 1組は国際結婚ということになります。何と東京では10組に 1組とまでさえ言われています。 8割弱が日本男性と外国人女性のカップルで、相手の国を見てみると、地理的に近く在日の方も多い韓国朝鮮や中国が多いのはうなずけますが、それを除くと外国人妻はフィリピンが圧倒的に多く、外国人夫は圧倒的に米国人が多くなります。原因として考えられるのが男性は下方婚、女性は上方婚という考え方が国際化時代になっても変わらないこと、もちろん日本の社会習慣から来るものもありますが本人たちの考えも変わっていないという証左ではないでしょうか。下方婚というのは、学歴、収入、身長などが自分より下の相手を結婚相手として望むということで、上方婚とはその逆をさします。